明日は誰よりも... ページ34
結婚式前日
午後には到着する予定のアイツのご両親
宿泊先はもちろん我が家
そんな訳で
アイツのお母さんとゆっくり話もしたかったけど
今日は実家に戻る事にした
久しぶりに両親と一緒に食卓を囲んで
今更だけど
今まで育てて貰ったお礼の挨拶もしたかった
そのまま実家に泊まるので
明日はアイツとは別々に会場へ向かう
今日は私もアイツも早番で
「いよいよ明日だなぁ(笑)」
「二人ともおめでとう」
「おめでとうございます！」
皆に祝福の言葉と可愛らしい花束を貰って
「「ありがとうございます(笑)」」
アイツと二人
幸せいっぱいで仕事を上がった
笑顔を交わしながら、手を繋いで歩いた
そして別れ際
「はぁ...帰りたくないです」
アイツは一際大きなため息をついた
イヤイヤ、お父さんもお母さんも
あなたに会えるのを楽しみにしてると思うよ
それに
「明日には会えるよ」
「そうですけど...
Aさんは僕と離れて寂しくないんですかぁ？」
言葉が悪かったのか
口を尖らせ拗ねてしまったアイツ
私の手を握り締めたまま離さない
何を今更...
あと半日もすれば会えるのに(我ながら冷たいヤツ)
もう、しょうがないなぁ...
「ねぇ、チャンミン
お願いがあるんだけど」
「...何ですかぁ？」
私は若干不貞腐れ気味のアイツの耳元に
顔を寄せた
「明日は誰よりも幸せな花嫁にしてね...」
瞬く間に広がるアイツの笑顔
「はいっ！」
さっきまで拗ねていたのが嘘のように
元気いっぱい返事をしたアイツは
「明日はAさんを
世界で一番幸せな花嫁さんにしてあげます！(笑)」
そう言って私の腰を掴むと
高々と抱き上げた
「ちょっ...ちょっと、チャンミン！？」
人々が行き交う駅前でそんな事をされて
恥ずかしくて堪らなかった
だけど
アイツがあまりに幸せそうに笑うから...
思わず私も笑みが零れた
「明日は誰よりも幸せになろうね(笑)」
アイツの肩に手を置き、そう言った私の唇に
幸せそうに微笑むアイツの唇が
ちゅっ...
「うん...(笑)」
優しく重なった
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作者名：ami
| 作成日時：2013年8月7日 12時
