【魔d！】ヘルプミー・デビル！

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翌朝、校舎の前では人だかりができていた。皆上を見上げ、あんぐりと口を開けている。

そこには「マリサちゃん大好きです」「つきあうしかない」とペンキで学園内1面に書かれていたのだ！
生徒達は皆、わなわなと体を震わせごくりと唾を飲んだ。

「誰だよ一体…最高にクールじゃねェか！！」

ワッと盛り上がる生徒達の後ろで控えているペンキまみれの私達は、彼らの反応を見て手応えを感じていた。こんなに盛り上がるとは思っていなかったので凄く嬉しいぞ〜！

「掴みは上々やな！」

これが、バビルス校舎を使った…愛の告白大作戦！

ーそれは、昨夜の事。

「ええか！悪魔は皆派手な事が大好きや！これだけやって惚れへん女なんかおらへんわ！」

べしゃべしゃペンキを塗りたくりながら楽しそうに話すシャオロン。
ちなみに私は「今日具合が悪くて翼出せないんだ」と謎の言い訳を思いつき、体格の良いトントンの背中に乗せてもらっている。

「あーあ、こんな悪さして…明日は先生方にメッッタメタに怒られちゃいますね…………シャオロンさんが」
「えっ」

責任とってくれるんですよね、と悪どい顔をするショッピさん。私も責任を取ることになるんだろう、覚悟を決めないと。

「A、乗り心地どうや？」
『最高〜！！トントン柔らかくてふさふさで気持ちいいよ』
「それ褒めてるんか…？まぁ喜んで貰えてるからええか！」

ふと隣を見ると、相談者、マタロー君が心配そうにシャオロンを眺めていた。

「なぁ、ええんか？こんな告白でホンマにええんか？！」

トントンは心配そうに声をかけると、マタロー君の肩を振りはじめた。死んじゃう死んじゃうって！！
マタロー君は「大丈夫です」とか弱い声で答えた。

「我々師団の皆さんがここまで手伝ってくださるなんて…凄く嬉しいんです！」

嬉しそうに語るマタロー君。なんだか私まで嬉しくなっちゃうよ〜！トンンさえも涙を流している、凄く良い子だなぁ。

「…相談者…！」
『マタロー君ね』




「そろそろ通学ラッシュの時間やな」

草木に扮しながら様子を見る。
魔界にも通学ラッシュて概念あるんだ、と1人で納得していると「あ、あの子です！」と叫ぶマタロー君。

「さぁ！校舎を見ろ…見たら絶対どんな女も…イチコロ…」

シャオロンの言葉が止まり、どうしたのかと前を見ると、そこには、意中の女子ーーと楽しそうに手を繋ぐ男子生徒の姿が…

……あー…


『彼氏…いたんだね…』

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