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真剣なお兄さんの目は、涼ちゃんを本当に大事に思ってるんだなってわかる。
外ではあんな強くて恐れられてるお兄さんが、実はこんなに綺麗で妹想いの優しいお兄さんだなんて…
知ってるのは極わずかな人間だけだと思うと、ちょっと優越感を覚える。
「…わかりました。任せてください!
元々、お兄さんに反対されても涼ちゃんには絶対会って弁解するつもりで……
俺…涼ちゃんは本当に好きだし、こんな事で無くしたくないんです!……信じてもらえないかもしれないですけど」
その俺の言葉にふっと笑ったお兄さんは
「よろしくな」
と、短く俺に礼を言った。
許しは得た。後は涼ちゃんの帰りを待つのみ。
どうでもいいけど、今が夜で良かった。
自分で言うのもなんだけど、お兄さんと俺みたいなヤンキーが公園でダベってたら間違いなく子どもたちはビビって公園で遊べなくなってただろう。
その事に急に思い当たりフフっと笑ってしまった俺に怪訝な顔をするお兄さん。
「…何笑ってんだ?お前」
ギロリ。美形のお兄さんが睨むと、顔が綺麗なだけあって最高に恐ろしい。
ああ、すいませんそんな目で睨まないでください。あ、でも嫌いじゃないですその顔。←
「まぁいいや。あ、、、涼子」
急に出た名前に、敏感に反応してキョロキョロする俺。
それを見て笑うお兄さん。
どうやら連絡が来たみたいだ。
「なんだ、やっぱりお前だいぶ涼子の事好きなんじゃん。安心したわ」
ニコッと笑って天使の微笑みをするお兄さんに思わず顔が赤くなる。
さっきまで本当に怖かったのにこの人は…
涼ちゃんとはソックリで綺麗で可愛いんだけど、お兄さんはやっぱり何処かカッコイイよな。(また怒られるといけないので)密かにその彫刻の様な横顔に見蕩れていると。
「…涼子を迎えに行った親父がそろそろ帰って来るみたいだぞ。……行くか?中島」
そうやって嬉しそうに笑うお兄さんに はい!と短く返事をして、俺達は山田家に急いだ。
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作者名:AKA | 作成日時:2021年11月21日 9時