ワラエ。 (ページ2)

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たいようのしたで。ページ2

(作者より。
ごねんまえのはなし。は、最後「あの子の」で終わっていますが、あれはあくまでも演出であり、ミスではありませんのでご了承ください。失礼しました。)
春の日差しが心地よい朝。
私ー村瀬Aは、期待に胸を踊らせていた。
高校最後の年。
彼氏はできるかな。その前に、好きな人はできるかな。友達は増えるのかな。
先生は、あの人かな。
なんて。最後の願い事は、願うもんじゃないなぁ。
それでもルンルン気分で、私は登校の道を歩く。すると、背中にドン、という衝撃があった。
「わっ」
転びそうになって、急いで食い止める。でも謝罪の言葉が中々漏れない相手に苛立って、私はつい険しい表情で振り返ってしまった。その時。
ぐらり、と世界は揺れる。
偶然だね。先生が、そこに立っていた。
「ごめん、大丈夫？」
そう言って微笑んで。ズキュン、と心臓が揺れる。
「……杉浦先生」
ぽつり。呟くと、先生はニコッ、と笑って見せた。私の顔が赤くなっていく。
その先生の綺麗な目元とか、形のいい唇が、細部まで活用されたその笑みは。
私が、この世の中で一番好きなものなんだ。