第50話 絆創膏 ページ8
私は中心街に戻り買い物をしていた。
ルッチが口付けた首が未だにどくどくと痛む。その度にルッチのあの顔が頭をよぎり顔が熱くなった。
ーーっ！忘れよう。あんなの。
思い出す度、私は頭をブンブンと振った。そんな私をヤガラちゃんが心配そうに見ている。
『…ごめんね、行こっか。』
そうヤガラちゃんに言うと｢ニー！｣と嬉しそうに泳ぎ出した。
大体の調達を終え、海列車のあるブルーステーションへ向かう。
その途中ある店を見上げているブルーノさんを見つけた。
私は仮面をつけ、話しかけた。
『ブルーノさん。』
｢…Aか。｣
ブルーノさんは私が仮面をつけていたため、自分は付けなくていいと思ったのだろう。そのまま話し始めた。
｢ここは一年後、おれの店になる。｣
そう言われ、お店の看板を見上げる。
『…酒場ですか。』
｢あぁ…。たまに店の開店準備でここに来る。だから今得にやらねばいけないことも無い。この週は休息だ。｣
『…いいですね。ゆっくりしていきましょう。』
私が笑うとブルーノさんも少し笑った。
｢お前に酒場は向いてない。…店ができても、Aは呼べないな。｣
『え、何故です？呼んでくださいよ！』
｢……お前、昨日の事覚えてないのか？｣
『……うむ。』
ーーそうだ。私は昨日ルッチの部屋でお酒を飲まされて吐いたんだった。
そして部屋に戻る途中ブルーノさんとカクに助けて貰って部屋に戻った…というか戻っていた。
『いや〜、カクに会ったところまでは覚えているんですが…。その後はちょっと…。』
｢…そうか。とにかく、もう酒は飲ませられんな。｣
『…気をつけます。』
｢そうしてくれ。｣
そういったブルーノさんは少し顔を逸らした。
ーーそんなに酷かったのか…私。気をつけよ…。
ショックを受けていた私の顔を見直したブルーノさんは言った。
｢誰にでもあんな顔をするもんじゃない。｣
『…？はい。』
よく分からなかったがひどい顔だったらしい。余計に落ち込んだ。
｢…それと、これ、つけろ。｣
落ち込んだ私を見たブルーノさんは慰めのように絆創膏をくれた。
｢…首…ひどいぞ。｣
『…あ、ありがとうごさいます！それじゃ！私は行きますね！ブルーノさんもお気をつけて。』
｢…あぁ。｣
『それでは！』
そう言ってブルーノさんに手を振って別れた。
首を見られたことに恥ずかしさを覚え、急いでその場を離れた。
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アタル(プロフ) - サクラさん» サクラさん、ありがとうございます！コメントで感想を送ってくださると本当にやる気が出ます。自分で始めたので頑張るというのもなんか変な感じですが、頑張ります！ (2019年10月12日 17時) (
レス) id: e103d991e7 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - カクもルッチもカッコいい…！毎回キュンキュンさせてもらってます！更新頑張ってください！ (2019年10月12日 16時) (レス) id: 2be65d96af (このIDを非表示/違反報告)
アタル(プロフ) - akane10746さん» 前回からコメントありがうございます！続けてみてくださっていてとても嬉しいです！頑張ります。 (2019年10月8日 13時) (レス) id: e103d991e7 (このIDを非表示/違反報告)
akane10746(プロフ) - 毎回面白いです!更新頑張ってください！！！ (2019年10月8日 9時) (レス) id: 38a8873821 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アタル | 作成日時：2019年10月7日 0時
