第68話 大切な居場所 ページ26
私の能力について、カクとカリファさんにも報告した方がいいとブルーノさんは言った。
私の能力がわかり、ブルーノさんが本で調べてくれたところ、私は【ネムネムの実】を食べた【睡眠人間】なんて呼ばれるらしい。
能力を操れない今、私が感情的になる時、相手は眠ってしまうようだ。
ブルーノさんはカリファさんとカクを私の部屋に呼び、先程私と話したことをそのまま二人に話した。
｢…なるほどのう…。そんな気はしてたが本当にそうだとは…。相手にしたら厄介な能力じゃのう。もちろん、制御できていればの話じゃが。｣
｢…ルッチは既に把握してあなたを利用していたのね…なんて事…。｣
私の手を握るカリファさん。
『…それでも、この能力が分かったのはルッチさんのおかげなんです…。』
｢…A…。お前は利用されたんじゃぞ…？｣
カクの目付きが変わった。
『…私の能力が誰かの役に立つのであれば本望です…。誰かを傷つけないのであれば私はこの能力を使いたい。』
｢……傷つけない…か…。｣
｢…カク…。｣
私の言葉にカクが顔を落とす。カリファさんはその様子を見て言った。
｢ごめんなさいね…A。私はあなたの気持ちを尊重したい、けれど、あなたが無理をすればするほど、私たちも辛くなる事を忘れないで…。あなたはもう、私たちの一員なのよ。｣
その言葉を聞いた瞬間胸にストンと、何かが落ちた。
何故こんなにも、彼らは私の言葉で感情的になるのか、今わかった。
ーー…一員だなんて、考えたこともなかったな。
今までの彼らの言葉を思い出す。
｢心配したのよ。｣
｢少しは汲んでやれ。｣
…カクの方を見ると真剣な顔をして私顔を見つめていた。
その表情に少し胸が締め付けられた。バレないよう下を向く。
『…ごめんなさい。私、今まで本当に自分勝手にやってました…。皆さんの足を引っ張らないようにって無理して、空回りして…。』
私は感情的にならないよう気をつけながら、深呼吸をして続けた。
『私なんかが…皆さんに一員なんて言って貰えるだけで嬉しいです…。』
｢…だけじゃないわい。わしらはもうお前がいないと落ち着かないようじゃ…。｣
｢…わしら、か…。｣
ブルーノさんはカクに笑いながら言った。
｢なんじゃ！そうじゃろうが！｣
そう言って怒るカクをカリファさんたちはなだめていた。そんな彼らに私は一層ついて行きたいと強く思った。
いつの間にか私の大切な居場所は既に出来ていたらしい。
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アタル(プロフ) - サクラさん» サクラさん、ありがとうございます！コメントで感想を送ってくださると本当にやる気が出ます。自分で始めたので頑張るというのもなんか変な感じですが、頑張ります！ (2019年10月12日 17時) (
レス) id: e103d991e7 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - カクもルッチもカッコいい…！毎回キュンキュンさせてもらってます！更新頑張ってください！ (2019年10月12日 16時) (レス) id: 2be65d96af (このIDを非表示/違反報告)
アタル(プロフ) - akane10746さん» 前回からコメントありがうございます！続けてみてくださっていてとても嬉しいです！頑張ります。 (2019年10月8日 13時) (レス) id: e103d991e7 (このIDを非表示/違反報告)
akane10746(プロフ) - 毎回面白いです!更新頑張ってください！！！ (2019年10月8日 9時) (レス) id: 38a8873821 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アタル | 作成日時：2019年10月7日 0時
