第62話 からかう彼は… ページ20
アイスバーグさんに見つめられ、恥ずかしくなった私は、手をつけられずにいたカクテルを咄嗟に飲む。
｢…くくっ…飲めないんじゃなかったのか？｣
アイスバーグさんはからかうように言った。
会ってからずっとからかわれている気がする。しかも私はそのからかいに弱いようだ。顔が熱くなるのがわかる。
『…アイスバーグさんはかっこいいし、社長だし、さぞおモテになるんでしょうね。』
そう言ってみれば、
｢ンマー、そうだな。たしかに女に困ったことはねェ。｣
とあっさり言われてしまった。
｢だが、今欲しい女…というか、がどうしても見つからなくてな。｣
『？』
よく分からないでいると、バーテンが言った。
｢この人も相当忙しい人でね、今からそれじゃあ困るからって秘書を探してるんだと。仕事のできる優秀な人をさ。｣
『そういうこと…。』
そんなに忙しい人が今ここで飲んでていいのだろうか。カリファさんがいう無節操な人とはこんな人かなぁとか思っていると、バーテンが、
｢ガレーラなんてでっかい会社が忙しくないわけないもんな。｣
『ぶっ…。』
ーー今なんて？
ガレーラってあのガレーラカンパニーですかね。この人はその社長。ということは、カリファさんが探してる社長ってこの人ですかぃ！
全てが繋がって焦り出す私。
そんな様子を見て笑うアイスバーグさん。
｢ンマー、ほんとに面白い女だ。お前が観光客じゃなけれァ…。｣
秘書に貰いたいなんて言おうとしたのか、しかし私がそんなに優秀には見えなかったようで、そこで止まった。
『…大丈夫ですよ。きっと近々あなたの元に優秀な人が現れますから…。』
｢…だといいがな。｣
パウリー同様、また厄介な人と関わってしまったもんだ。と自分の運の悪さに肩を落とす。
ーーこれはまたカクあたりに説教をくらいそうだな…。
そんな不安をかき消すように目の前のお酒を飲む。
｢…おい、ペース大丈夫か？｣
『…ぅえ？』
私は気づかないうちに結構飲んでいたようで、今更酔いが回ってきていた。
『んー…ちょっと…酔っちゃいました〜。』
｢ンマー…ちょっとじゃねぇな…そろそろ出よう。｣
アイスバーグさんは酔った私の腕を引き店をあとにした。
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アタル(プロフ) - サクラさん» サクラさん、ありがとうございます！コメントで感想を送ってくださると本当にやる気が出ます。自分で始めたので頑張るというのもなんか変な感じですが、頑張ります！ (2019年10月12日 17時) (
レス) id: e103d991e7 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - カクもルッチもカッコいい…！毎回キュンキュンさせてもらってます！更新頑張ってください！ (2019年10月12日 16時) (レス) id: 2be65d96af (このIDを非表示/違反報告)
アタル(プロフ) - akane10746さん» 前回からコメントありがうございます！続けてみてくださっていてとても嬉しいです！頑張ります。 (2019年10月8日 13時) (レス) id: e103d991e7 (このIDを非表示/違反報告)
akane10746(プロフ) - 毎回面白いです!更新頑張ってください！！！ (2019年10月8日 9時) (レス) id: 38a8873821 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アタル | 作成日時：2019年10月7日 0時
