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星26個 ページ26

「貴方、何してるの!?」




アカネの前に立って、目の前の青年を睨みつける。
でも、青年は眉一つ動かさずに答える。





「鬼を斬りに来た。」





「そんな……!!」



アカネの悲鳴のような声。
彼女は今日、鬼になったはずなのに、どうしてすぐにバレたの?
そんな疑問が浮かぶ。
青年は私の方を指さした。




「そもそも、俺はお前の行動の意味がわからない。どうして、人を喰べた鬼を庇う?」






「ふざけないで!!うちの妹は、人なんて喰べてない!」






「ふざけているのはお前だろう?どうして部屋に染み付いている血の臭いに気づかない?」





その言葉に、アカネの雰囲気が変わったのがわかった。
攻撃性の無い穏やかなものから、ちりちりと皮膚を焦がすような殺気を含むものへと。





嫌なものが迫ってくる。
本能が警告するそれに私は咄嗟に前に倒れ込んで回避する。それでも間に合わなくて、背中に鋭い痛みを感じた。





「鬼化して自我すら失ったか。あまつさえ、愚かな程に自分を庇ってくれた姉を攻撃。……最悪だ。」





呆然としている私をよそに、二人は家の中で戦い始める。鍋や食器、家具が壊れる音だけが耳にうるさいくらい響いた。




妹が人を喰べた。
家の臭いを鼻からゆっくり取り入れると、錆びた鉄の臭いが刺激した。




こんなにもわかりやすいのに、それを気づけなかった。
それなのに、姉だからと世話を焼いて……




「何が”アカネのために”だ。」




こんなの自己満足じゃないか。
たぶん、アカネはこれに気づいていたんだろう。だから、鬼になった。





ゆっくりと立ち上がると、目の前の二人を見据える。狭い室内だからか、青年の刀が届く前にアカネは逃げてしまう。





今回のことは、自分で撒いた種だ。
それの尻拭いを、今日会ったばかりの他人にさせられない。




私がどうにかしなくてはいけない。





拳を血が滲みそうなほど強く握りしめて駆け出す。
台所から塩をひと握り持ってきて、青年の手から刀を奪い取る。





彼はずっと頸を狙っていた。きっと弱点は頸なんだ。





アカネとの距離を十分に詰めて、彼女の顔目掛け塩をお見舞する。
それが上手いこと目に入ったのか、彼女は顔を抑えた。





私はその勢いのまま、アカネの頸に狙いを定めて刃を振るった。

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☆カペラ★ - こんばんは、これめっちゃ良い話ですね!ハマりました!!時透君カッコいい!!更新頑張ってください! (2020年1月14日 21時) (レス) id: 04526cdaa3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:コゲパンです。 | 作成日時:2019年9月7日 23時

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