第七話…SideB ページ9
どんどん！どんどん！今出せる最大限の力でいっぱいに扉を叩く。
「…………」
なんの反応もない。
「どうしたらいいんだ…。」
落ちた衝撃でAが怪我をしていたら？部屋の中に誰かが居て、その人になにかされていたら？
ちょっと考えるだけでも心配事が山ほど出てくる。
そわそわとドアの前を行き来していると、ちゃりんっと音がした。
薄暗い視界の中、微小な光を反射するものを見つけた。
きらり、その光に手を伸ばす。手の感覚だけで探ると、鍵だった。
鍵にはタブが付いており、どうやら文字が書かれているようだった。
かすれた文字に明かりのない屋内でイライラしていると、客間の暖炉を思い出した。
暖炉の上に置かれた小さな箱を手に取る。案の定、マッチだった。
薪はもともと暖炉に入れられている分と、その横にたくさん積まれている分があった。
マッチに火をつけ、一本の薪に火を移し。それを薪が入った暖炉に入れると、一気に明るくなった。
温かい炎を頼りにタブを読むと、 【二階子供部屋】と書いてあった。
「とりあえず行くしかないか…。」
大きなため息をつく。自分の頬を叩き、気持ちを奮い立たせてから向かう。
早くAのところにいかなければ。焦る気持ちと抑えようとする気持ちが喧嘩している。
カチャ。ガチャリ。鍵を差し込みドアを開ける。
眩しい。天井の大きな照明が暗闇なれした目に突き刺さる。痛いぐらいだ。
ゆっくりと、目をはっきり開けると、窓からは陽の光が差している。
ふかふかで大きなベッドにはぬいぐるみがいくつか置かれている。女の子の部屋だろうか。
クローゼットには平均的な身長の服が入っている。タンスを開くと、女性用の下着が入っていた。
自然と思考が止まり、無条件にタンスをそっっっっっっと締める。
((俺は何も見ていない…そう、何も…))
何事もなかったかのように探索を進める。
続く
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YUKARI♪ - 毒りんごパイさん» それは良かったです！ (2019年11月27日 22時) (
レス) id: 8e0566877e (このIDを非表示/違反報告)
毒りんごパイ(プロフ) - ありがとうございます…(T_T)更新するモチベーションが無くなっていたのですが、気力が湧いてきました！ (2019年11月24日 20時) (レス) id: 402e3fe0b6 (このIDを非表示/違反報告)
YUKARI♪ - イベントのYUKARI♪です！読みましたがとても面白かったです！評価させて頂きました！ (2019年11月22日 15時) (レス) id: 8da6d1b6ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：毒りんごパイ | 作成日時：2019年11月15日 23時
