魔人との出会い ページ21
「ご飯、おかわりあります?」
「……貴方、ここが何処だか分かってますか?」
呆れ顔ながらもご飯のおかわりをくれる
魔人────フョードル・ドストエフスキー
「モグモグ、わか、ってモグます、ゴクンよ。」
「……ゆっくりでいいので食べてから話なさい。喉につまらせますよ。」
「はーい。」
のはずだが、
「まだ味噌汁ならおかわりありますがどうします?」
「ください。」
何故か私はその魔人さんの隠れ家でご飯をご馳走してもらっている。
何故、こんな事になったのか。
確か私は治と久しぶりに任務外でのお出かけをしていて、
それで治にちょっと待っててと言われたので
公園のベンチで待ってたんだけど太陽の日差しが気持ちよくて眠くなって寝てしまった。
……そして起きたら魔人さんが居た。
うーん、わからない。
何故こうなったのか。というより何故私は自分の所属組織の警戒している男とご飯を食べているのだろう。
「……何故、と言われても。しいて言うなら起きた瞬間貴方の腹の虫がなったからですかね。」
「ついお腹が空いてしまって。」
味噌汁を飲み終わり、改めて周りを見る。
状況的には誘拐された、と言っても過言ではないのに、なんだろう。そんな感じがしない。
確かにこの部屋には何も無い。
あるとすれば先程ご飯を食べるために使った茶碗や箸くらいで、ほかには何も無い。
……かと言って皆さんが思い浮かべる誘拐のように拘束具を付けられているわけでも無ければ、窓や扉が無い訳では無い。
いったい、何がしたいんだ?
「……戸惑っていますね、」
「……まぁ、一応?」
部屋には沈黙が広がる
けれどそれは気まずい訳でも、無ければ息苦しい訳でもなく、
自然と心地よいと思える沈黙だった。
「……日本には、警戒心という言葉がありますね。」
「?そうだね。」
「貴方、意味わかってます?」
確かに日本にはそういう言葉があることは確かなので頷くと呆れ顔で言われた。
「?警戒する心のことでしょ?」
漢字のままだと思うけど、違うのか?
何か別の意味があるのかな?なんて考えていると魔人さんは溜息を吐いて、椅子に座っていた体を立たせる。
何事?と思い魔人を見ていると、ドンドン魔人さんとの距離は近くなっていく。
79人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「太宰治」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
山猫(プロフ) - 夕霧さん» リクエストありがとうございます!リクエストは話の枠が足りないので続編にて作らせていただきます。 (2019年3月3日 20時) (レス) id: 78ed981431 (このIDを非表示/違反報告)
夕霧 - 探偵社で殺気全開の太宰さんが見たいです。 (2019年3月3日 20時) (レス) id: 6f35473dc5 (このIDを非表示/違反報告)
愛菜(プロフ) - リクエストで夢主がナンパされたらというのをやって欲しいです! (2019年2月28日 22時) (レス) id: f1715ab2ed (このIDを非表示/違反報告)
山猫(プロフ) - 夕霧さん» ありがとうございます!できる限り頑張って見ます! (2019年2月15日 23時) (レス) id: f0811da8b0 (このIDを非表示/違反報告)
夕霧 - この作品大好きです!続きお願いします! (2019年2月14日 22時) (レス) id: 6f35473dc5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:山猫 | 作成日時:2019年1月7日 21時