兄さんの忘れ物を届けに行ったら初対面な名探偵に結婚を申し込まれてしまった。

7話 ページ9

昨日、乱歩さんと出会ってすぐに結婚を申し込また。

……と思ったらあれよあれよと事は進み、兄さんの職場の人達と話し、連れ出され、正式に告白された。


そんな次の日の朝、いつも通りとっくに出勤時間が過ぎているのに寝ている兄さんを起こし、作った遅めの朝食を食べる。



「……A、大丈夫かい？」


「大丈夫だよ。」



昨日、告白された後のことはよく覚えていない。
気付いたら家に帰っていて、朝になっていた。


……あんなのはきっとイタズラ、だって初対面だから。なんて考えるものの私の思考は昨日の乱歩さんの言葉から離れなかった。



「……A、本当に大丈夫かい？Aがコロッケに掛けてるのメープルシロップだけど、」


「……改革しようと思って。」



……妙に甘いと思った。
コロッケってこんなに甘かったっけ？って思ったらそういう事か。



「兄さん、はいお茶。」



コロッケの件はスルーして無くなった兄さんのコップにお茶を注ぐ。



「やっぱり大丈夫じゃないよね…？」


「大丈夫だよ。」


「コップにAが注いだの、ソースだけど……」



え、と思い自分の手にある物を見るとソースと確かに書いてあった。



……心配そうにこちらを見る過保護な兄さんに一言。



「兄さんの自 殺の手伝いだよ。」

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