一本道で迷子 < 番外編 >

… ページ30

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「あ〜〜〜もう、泣くなや！」

『…………だって…っ』

「ほら、さすってやるから！どこが痛いん？」

『ぜんぶ』

「あほか」

『永瀬、ごめん…ごめんなさい…っ』

「…ええよ。調子悪かったんやろ？
俺もライン無視してごめんな」

『もう別れるんだと、思った…っ』

「喧嘩1回くらいで別れるか。
まぁ、きのうはガチでムカついたけど」

『ごめん！ほんとごめん…っ』

「やから もうええって！次謝ったらデコピン！」

『ん〜〜〜、ながせのあほー』

「ああ？お前ちょっとデコ出せや」

『え、話が違う…』

「いいから出せって」





そうして私のおでこにやって来たのはデコピンではなく小さなキスで、永瀬と仲直りできたことに安心して更に涙が溢れて来てしまう。
たった一瞬の出来事なのに、それだけで頭痛も腹痛も軽くなるしお腹も空いてくるし、病は気からって本当なんだと驚いている隣で、彼は私の頭を撫でながらベッドに座った。






「ええな〜。6時間目も寝れるとか。
なんとか俺もサボれんかな」

『私サボりじゃないんだけど』

「身体どんななん？貧血で倒れたんやろ？」

『倒れる寸前だっただけだよ。麻里に肩借りて自分で保健室来たの。
食欲なかったからお昼食べれなくてさ、それでフラフラしただけで今は落ち着いてる』

「は？昼メシ食ってないん？」

『しんどかったんだもん』

「お前、ちゃんと食わんと胸大きくならんやん」

『……うわ、幻滅した』

「きのうの仕返し」

『ふふ、最低』

「さいてーで結構ですー。
じゃあ教室戻るわ。今日帰りどうすんの？」

『お姉ちゃんに迎えに来てもらうよ』

「じゃあもう会えんか。ちゃんと寝とけよ」

『うん。部活頑張ってね』

「おー。じゃあな」

『……………永瀬！』

「？ なに？」

『今夜、電話、できる？』

「……しゃーなし」

『ありがと』

「どういたしまして。ほら、寝ろって」

『また夜ね』

「おー。おやすみ」






きっと全て先生に聞こえてただろうけど、仲直り出来たんだから気にしない。
まだまだ未熟な私だけど、これからもよろしくね。





(mさんからリクエスト頂きました、)
(二人の喧嘩です。)
(高校生のときの喧嘩の原因ってどんなのがあったか)
(思い出すのにかなり時間を要しましたが←)
(書いてて楽しかったです！)
(リクエストありがとうございました！)
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