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ふうっと気合いを入れて部室に足を踏み入れる。
私に気づかないまま腕相撲をする二人のところまで真っ直ぐ歩くと、ちょうど決着がついた二人が同時に私を見た。
『聞いてない』
「は？ なにが？」
『永瀬じゃないの。ちょっと待ってて』
「は？」
「…………………いやぁ、その〜」
『聞いてないんだけど』
「いや、急に決まったって言うか…」
『言うチャンスあったでしょ』
「バレないかな〜？なんて…」
『なんで隠してたの』
「絶対嫌がると思って〜…」
『さいあく』
「ごめんって〜。
てかなんでAちゃんサッカー部にいるの？それこそ聞いてないんだけど」
「え、A、平野コーチと知り合いなん？」
『うん。知ってる。永瀬、こちら私の兄です』
「……………は！？」
『お兄様、こちら彼氏の永瀬廉くんです』
「……………へ！？」
「「……………………」」
「お前か………"先生"って……………」
「お前か………Aちゃんの初カレ………」
二人の顔はなんとも形容しがたい色んな感情の混ざった表情で、あぁもっとちゃんと紹介したかったのになんて思っても、もう時は戻らない。
「ちょ、待ってA！もしかしてずっと言ってた"先生"って…」
『この人。お姉ちゃんの旦那さんの紫耀くん』
「つまりずっと好きだった、人…？」
『うん。今はもう好きじゃないよ」
「あの金髪でチャラついてた治安悪い人？」
『金髪じゃなかったら悪そうじゃないでしょ？』
「いま、一緒に住んでるんじゃ…」
『そだよ。だから絶対言うチャンスあったはずなのに…』
たくさんお世話になったから、麻里にもちゃんと紹介したかったんだけどな…
でも仕方ない。こうなったらもう普段通りに振舞って少しでも場を平常に戻すしか……
「………なんか色々言いたいことあるけど、とりあえず、紫耀って呼ぶわ」
「………俺も色々言いたいことあるけど、とりあえず廉って呼ぶわ」
あれ？
私一人で考え込んでしまっていたが、二人はいつのまにか腕相撲の組手から握手に変わっていて、これからよろしくなんて言い合っていて、驚いたり焦っているのは私や麻里たちの方だった。
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名無し - 一気読みしました！主様のペースで良いので更新待ってます (2020年12月12日 21時) (
レス) id: 492fd25da1 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴこ(プロフ) - あこさん» お返事遅くなってすみません！少し生活面が落ち着いてきたので、これから更新できればと思います！少々お待ち下さい(^^) (2020年3月11日 18時) (レス) id: 1c0a7a2bdd (このIDを非表示/違反報告)
あこ(プロフ) - めちゃめちゃ続き気になります！更新楽しみにしてます！ (2020年1月5日 2時) (レス) id: 105c11924c (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴこ(プロフ) - 愛美さん» コメントも評価もありがとうございます。嬉しいお言葉ばかりで私がニヤニヤしてしまいました…！番外編のくせに長々と続いておりますが、もう少し書きたいので、これからもよろしくお願いします！ (2019年12月15日 21時) (レス) id: 1c0a7a2bdd (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴこ(プロフ) - しおりさん» ありがとうございます！ノロノロ更新ですが、これからもお付き合いお願いします！ (2019年12月15日 21時) (レス) id: 1c0a7a2bdd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぴこ | 作成日時：2019年7月25日 0時
