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グラウンド39回目 ページ39
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『…あれが、うちのエースなの？』
気付いたときには口に出してしまっていた。
部外の初めて見にきたやつがこんなこというなんて失礼だろう。
『あ、ごめん！変なこと言って！』
「いやいや、誰が見てもそう思うよね〜」
「廉さ、今スランプなんだよ」
麻里も神宮寺くんも、岸くんも、みんな苦しそうに彼を見つめている。
「あいつ成長期みたいでさ、ここ数ヶ月で一気に背伸びたり肩幅広がったりしてんの」
「体つきが一気に変わってね、それに追いついてないんだよね」
「途中までは技術でカバーしてたんだけど、もうそれも出来ないくらい今バランス掴めてなくて」
「無理やり頑張ってたら足捻ってさ、しばらくリフレッシュも兼ねて休んでたんだよ」
「先週の金曜日に次の練習試合のメンバー発表されたんだけど、レギュラーから外されてさ。めっちゃショック受けてた。」
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なんだ…
あの日の夜じっとしていられなかったのは
そっちもじゃないか…
そっちだって
悲しくてどうしようもなくて苛立って
それで家を出てたんじゃないか…
何が
楽しいサッカー見せつけてやる、だ…
そんな苦しそうに…
『廉のあほ』
誰にも聞こえないように小さく呟いたのに、グラウンドにいる彼はこっちを向いた。
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作者名：ぱぴこ | 作成日時：2019年5月30日 22時
