グラウンド36回目 ページ36
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好奇の目に晒された一日が終わった。
髪を切るだけでここまで色んな人に見られるとは思わなかった。
朝クラスで騒がれてから人の目が気になってきたため、多少自意識過剰な部分もあると思うが、それにしても疲れるものだ。
麻里がよく、サッカー部と歩いていると疲れると言っていたが、こういうことだったとは…
本当にイケメンも大変だな〜と考えた午後の授業も終わり、麻里に声をかけようとしたところ、神宮寺くんが麻里を迎えに来ていた。
なるほど、付き合うということはこういうことか。
今日は学ぶことがたくさんだ。
『神宮寺くん、麻里、おつかれ。
ねえ、永瀬くんに用事あるから一緒に部活行っていい？』
「Aちゃん お疲れ！
廉、今日は病院だからもう帰ったよ」
「廉くん足怪我しててさ〜、今日病院行ってOK出たら部活復帰だから明日以降ならいると思うよ」
あ、そうか…
病院から許可出ないと部活出来ないのか…
こんなことなら購買で会った流れでパーカー返しておくんだった。
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あしたどこかの休み時間に返しに行けばいいかと考えながら家路につく。
今日は濃厚な一日だった。
麻里の話は少女漫画さながらで、神宮寺くんも頑張ったなーと私は二人をずっと祝福していた。
自分の初恋をスッキリ終わらせたことや髪が軽くなったこと、夏の爽やかさも相まって、とてもワクワクするような、麻里が神宮寺くんの彼女になり少し寂しかったりするような。
私も私なりの青春をしているんだ。
ひとつだけ、心に引っかかりを残すのは永瀬くんのこと。
昼に会ったとき、一度も目は合わなかった。
失恋して髪切るなんて、引かれたかな…
結局まだ、人前で廉なんて呼び捨てには出来なくて、あの日の夜が本当に夢だったんじゃないかと思ってしまった。
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作者名：ぱぴこ | 作成日時：2019年5月30日 22時
