真夜中25回目 ページ25
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『オールとか初めてしたけど、眠気のピーク過ぎるとフワフワするね』
「俺もずーっと話しとったの初めてやから喉きついわ〜」
『今日は一日寝よう』
「それな。
もーほんま手のかかるやつやなお前」
『お前お前うっさいわ』
「お前はお前や！ぼけ！あほ！」
『永瀬くんもテンション可笑しいじゃん！』
「誰のせいやねん！てかお前もなんやの？
永瀬くん永瀬くんて！よそよそしいねん！」
『じゃあなんて呼べばいいの………
あ！お前か！？』
「なんでやねん！！」
『うわ！すごい綺麗ななんでやねん頂きました！！』
「だっるいわ〜お前ほんと」
『じゃあ、永瀬ね、永瀬！これで友達っぽいでしょ？』
「………は？お前話聞いてた？」
『えーなにー？まさかイケメンエースとでも呼べと……？』
「んなわけあるか！下の！名前！」
『永瀬廉？え、フルネーム！？』
「…………もう疲れた」
『うそうそ！嘘だよ廉くん！』
「…………呼び捨て」
『へ…………？ れ、廉………？』
「おっけ」
『ちょっと待て、女子にころされる』
「勝手にやられとけ。ゴールの下にでも埋めて楽しいサッカー見せつけてたるわ」
『ちょ、冗談抜きで、まじで』
「まあ、アイツら今日くっつくやろうし、学校で俺らが話すこと減るやろし、大丈夫やろ」
『ああ、まあ、そだね。
永瀬くんと話すのもこれで最後か〜〜』
「いや、最後ちゃうし。
そんでまた永瀬くん言うたし』
『………まぁ、部活見に行くよ』
「……おん、しっかりお礼せえや」
『そ、そろそろ、帰ろっかな』
「あー4時半か…おっしゃ！行くか！」
『ナビお願いしまーす』
「図々しいなお前」
夏の夜明けがこんなに早いとは知らなかった。
5時前だというのに周りはもう完全に明るくなってていて、太陽は彼の黒い肌をピカピカと照らしていた。
ゆっくり自転車を漕ぐ彼は、時々眠そうに目をこする。
私がちゃんと付いてきているか振り返る姿に、この数時間が夢ではないと告げられる。
夏の朝日に照らされた彼は、本当に美しかった。
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作者名：ぱぴこ | 作成日時：2019年5月30日 22時
