一本道で迷子 (ren.n) (ページ18)

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真夜中18回目ページ18

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5分ほどして家から出てきた永瀬くんは、コンビニの袋の代わりにエナメルバッグを提げて出てきた。
そして、玄関先に停めてある永瀬くんのであろう自転車を取り、私にこっち、と告げて歩き出した。

二人で自転車を押しながら歩く。

「この辺なら、警察とかヤンキーとかおらんから」

2分ほど歩いた公園の入り口に自転車を停めると、未だにボーッとしている私の手をとり歩いて行く。

公園の中のベンチに座らされると、永瀬くんは隣に座り、何も言わずに水をくれたのだった。

それから何分経ったのだろう。
もしかしたら何十分…

私たちはずっと無言だった。

『永瀬くん、みず、ありがと』

やっと出た言葉は、少し上ずっていて、少し震えていて、かなり小さな声だった。

「………なぁ、どしたん、何があってん」

『失恋、した………』

きっと永瀬くんには、浅はかな女だと映っているだろう。
毎日毎日息をするように失恋したと親友に話している私が、改めて宣言する様は非常に滑稽だったに違いない。

それでも永瀬くんは、笑うことなく、いつものようにアホと言うこともなく、静かに、知ってると答えた。

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