さんじゅうろく�� ページ38
「Aさん何買えばいい？」
「えっとじゃあ____」
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咲也くんと真澄くんに買うつもりの食材のメモを渡す。
すると咲也くんは張り切って食材売り場に歩いて行く。真澄くんも渋々だけれど、ちゃんと買いに行ってくれた。
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でもさっきから真澄くんが歩くたび、女子が振り向いている気がする。流石だな。
まぁ、性格は正直一癖どころじゃないけど。
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ため息を一つ吐くと、私も彼らの後を追った。
＊＊＊
私は先に買い終わったので、外で二人を待つ。
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結構時間がかかってしまったからか、外はもう薄暗く夕日が見え隠れしていた。
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まだかな？なんて思いながらガラス窓に貼られているポスターをぼんやり眺める。
すると____
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「__Aちゃん？」
「えっ、嘘？本当だ！」
後ろから聞こえた聞き覚えのある声に、背筋が凍った。
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震える体を奮いおこして、振り向くとそこにはもう二度と会いたくない2人組の姿が。
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「...秋奈ちゃん...冬音、ちゃん...」
2人の名前を呼ぶ声が掠れる、それくらい私の体は金縛りにあったように硬直していた。
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この2人は、施設で私を虐めていたグループのリーダー的存在だった子達だ。
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ブローチを捨てたのも、この子達。
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何を言われるか身構えると、目の前の2人は私が怖がっているのが分かったのかクスクスと笑いだした。
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「そんな怖がらないでよ〜〜、私達友達じゃーん」
「そうそう？施設やめちゃったんでしょ？寂しいなぁ〜」
そんな事、これっぽっちも思ってないくせに。
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そう思うけれど、言い返せるはずもなくただただ2人の言葉に頷くことしかできない。
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そんな私がつまらないのか、2人は不快そうに少し眉をつりあげる。
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「何？今どこに住んでるの？今度荒らしに行ってあげよっかー？」
「ど、どこでもいいでしょ、ほっといて。」
「は？誰に向かってそんな口聞いてんの」
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にこりと意地悪く笑う2人にそっぽを向くと、一瞬にしてその顔色が変わった。
あ、皇天馬とおんなじこと言ってる。
...だけど、皇天馬の方が何倍もマシだ。
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なんて回らない頭でぼんやりと考えていると、いきなり腕を強く掴まれた。
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作者名：オムライス.? | 作成日時：2017年2月26日 20時
