にじゅう�� ページ22
「やっぱボロいな、この劇場...」
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なんて言って入って来たのは、オレンジ色の頭した態度の大きい男の子。
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私だけでなく、みんながびっくりしている中でいづみさんがその人に声をかける。
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「キミもオーディション希望？」
「そうだけど、アンタは？」
「監督兼主宰の立花です。よろしくね」
「ふうん。ずいぶん若いんだな」
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なんだか明らかにいづみさんの方が年上なのに、当たり前にタメ口で喋ってるな...。
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礼儀を大切しないのかな、なんて少しムッとしていると___
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「__皇天馬」
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彼が発した言葉に私だけじゃない、みんなが口を開けることになる。
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す、皇天馬って...！
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「オレ、この人、テレビで見たことあります！」
「超有名人じゃん！スッゲー！」
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私の気持ちを代弁したように、他の団員が声を上げる。
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皇天馬__普段あんまりテレビを見ない私でも知ってる。
子役から始めてて、超実力派で、親も凄いとか...よく聞くけど、なにより_____
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一応、私の高校の後輩でもある。
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もちろん話したことなんて無いけど、去年の入学式で「超有名人がうちの学校に入って来た！」って事で一気に学校は皇天馬の話題で持ちきりになった。
同学年はもちろん、一個上の私達の代でも凄く話題になっていて毎日わざわざ1年生の教室に通う人も少なくなかった。
まぁ、芸能人だし忙しいみたいだからロクに学校にも来れてなかったみたいだけど。
私もそりゃあ芸能人だし、一度は見てみたいなとは思ったけど私みたいな学校の中でも下っ端なタイプのヤツが簡単に追いかけちゃ良くないだろうなぁ___なんて思って放っておいたらいつの間にかどうでも良くなっていた。
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それが、こんな形で対面するなんて...。
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でもまぁ、凄い人が入ってきちゃったなぁ。なんだか性格は良くなさそうだけど...。
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ちらりと皇天馬の方を見ると、幸さんと何やら馬が合わないみたいなのか早くも険悪ムードになっている。
まぁ、幸さんも結構ズバッとモノを言いそうなタイプだしなぁ。
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半ば傍観者のような目でその光景を見ていると___
「Aちゃん、Aちゃん」
「あ、はい！」
いづみさんに呼ばれ、返事をしてそちらに向かった。
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作者名：オムライス.? | 作成日時：2017年2月26日 20時
