FILE.104 月明かりの狙撃手 ページ4
焦りを悟られたくないのか、とても小さな声でキッドが言った。
グロック17？銃の名前かな？
さすがのキッドも、先程の弾が意図的に外された威嚇射撃であることはわかっているようで、相手が本気を出せば脳天にヒットさせることなど容易いような腕前の持ち主であることも察したようである。
「___奪いたかったのは彼女かと聞かれましたか？ははっ、とんでもない...私には彼女を手の内に入れられるほどの地位も名声もございません...そういうあなたこそ、奪い返したいのは宝石ではなく彼女の方なのでは？」
やめて....なんか私の擦り付け合いみたいになってるから....
『あ、あの...』
ｷﾝｯｯ___
私が口を開いた瞬間、ちぎれるような金属音が響き、キッドが右手に持っていたトランプ銃は床に叩きつけられた。
人質のお前は何も言うな、と言いたいのだろうか。
「人質を解放しろ...話はそれからだ。」
「では貴方もその物騒な恋人を下ろしていただけますか？」
少し余裕のないその声から伝わってきたのは、隠しきれない緊張感。
数秒の沈黙のあと、
沖矢さんは表情一つ変えずに、少しだけ銃口を下げた。
それを見たキッドは、トランプ銃を持っていた右手をもう一度握り、そして開いた。
催眠爆弾.....！？
キッドがそれを投げようと少し動いた瞬間、下がっていたはずの銃口はすかさずキッドのモノクルの端をとらえ、金属音とともにガラスの割れる音を星空に響かせた。
沖矢昴容赦な！！！
『ちょっ！』
「昴さん待って！！撃っちゃダメだ！！！」
空気の流れを変えるように放たれたその声は、沖矢さん側から屋上へ上がってきたコナンくんのものだった。
必死な顔をしているのが、二十数メートル離れたここからでもわかる。
沖矢さんは依然として迷いのない銃口をこちらへ向けている。
そこに殺意があるようには見えないが。
「.............わかりましたよ、武器は全て捨てますから......」
キッドはそう言って、5つの催眠爆弾を床に並べ、撃ち落とされたまま転がっていたトランプ銃を尖った靴先で軽く蹴り、コナンくんたちの方へ滑らせた。
「これでどうです？」
「聞こえませんでしたか？私は人質を解放しろと言ったんですよ。」
「ええ、ですから.......」
「_____！！っ昴さん！！そのトランプ銃！！」
コナンくんの声をかき消すように、トランプ銃がボンｯと勢いよく爆発した。
「これで私の勝ち、という意味ですよ。」
FILE.105 サヨナラ→←FILE.103 グロック17
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凛音 - 面白かったです！でもこれで終わりなのが寂しいです。 (10月8日 20時) (
レス) @page23 id: 0943923905 (このIDを非表示/違反報告)
かるぴん(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！大変だとは思いますが、更新楽しみに待っています！！ (5月11日 18時) (レス) @page23 id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
アリアス - 凄く面白いです。Twitterフォローさせて頂きました。固ツイの部屋の情報とてもありがたいです。更新無理なさらず……楽しみにしています (2022年7月4日 19時) (レス) @page37 id: 14e0364a88 (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - すごく面白いです！！ 第1話から ぶっ通しで読んで 気づけば朝になってましたw 更新停止なのが勿体ない！続きが書かれる事を願ってます (2022年4月28日 7時) (レス) @page37 id: 41374f889f (このIDを非表示/違反報告)
こぎつね(プロフ) - すごく面白いです！1章から一気に読んでしまいましたw更新楽しみにしてます！ (2022年3月15日 10時) (レス) @page37 id: b879b0bfc9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：+G | 作成日時：2021年8月16日 11時
