FILE.48 仮面の家族 ページ48
少し拍子抜けしたような顔で、ふ〜ん、といいながら私を観察してくる有希子さん。
なんだか視線がくすぐったい。
あまり自分のことについて聞かれると、既に偽名を使っているというのに、その上に嘘を重ねて、挙句の果てにありもしない会社勤めのいる訳のない人物になってしまいそうなため、話を逸らした方がいいかもしれない。
いる訳のない人物、ね.....
『あの、私からも1つ質問していいですか?』
「どうぞどうぞ〜!何でも聞いて♡あ、スリーサイズはあなたとほぼ同じだから聞いてもつまんないわよ♡」
『測ったんですか!?』
「見た目よ見た目!」
『そ、そうですか....』
「で、質問って?」
『...さっき、男性陣とか、僕らって仰ってましたよね?沖矢さんの他に男性がいらっしゃったんですか?』
まあ、多分____
「あ〜、それ、優作のことよ。私の夫なの。」
ですよね。
『今はいらしてないんですか?』
「家にはいるけど、仕事に追われてて今は顔を出せないみたいなのよ、ごめんなさいね〜。」
『そうなんですか、大変ですね。』
そんな忙しい中私に気を配ってくれた優作さん、ありがとうございます.....
『それと___ごめんなさい、もう1つあって、沖矢さんとあなた方はどういったご関係ですか?』
多分、聞いておかないとまた余計な疑いがかけられる。
「え?えーっと、う〜ん。」
少し困った顔で沖矢さんにアイコンタクトをする有希子さん。
「僕が住んでいたアパートが火事で全焼してしまいまして、困っていたところを工藤ご夫妻に助けていただき、ご厚意で居候させていただいているんですよ。」
居候の割に我が物顔でコーヒー飲んで本読んでましたけどね!
かっこいいからいいけど!!
って多分有希子さんも同じこと思ってる。
『へえ、そうだったんですね、先日は一人暮らしだと仰っていたので、気になってしまって....』
「私達海外に住んでるから、普段は彼一人なのよ。今は色々あって日本に滞在してるんだけどね。」
目の前のスーパーエリートな大人二人に合わせるように大人びた口調で会話していると、お腹からはグゥ、と子供のような音が鳴ってしまった。
『あはは.....ごめんなさい。』
「丸一日何も食べていないようなものですから、当然ですよ。よろしければ、お昼を一緒にどうです?」
『え!いいんですか!』
「ええ、丁度お隣の家で、先日お話した子供たちとテーブルを囲む予定でしたので。」
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Ohata(プロフ) - いや 私には700ヤード先の直径1cmの的にピンポイントで弾を食らわせる超人スナイパーに見えます。 現場からは以上です。 ←まじ笑いましたwww (10月9日 10時) (レス) @page6 id: 6c4593a5ce (このIDを非表示/違反報告)
+G(プロフ) - 舞さん» コメントありがとうございます。頑張ります! (2021年4月4日 11時) (レス) id: 2be049e179 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 更新頑張ってください^o^ (2021年3月28日 23時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
+G(プロフ) - 星来さん» コメントありがとうございます。通知付けして頂き、とても嬉しく思います!頑張ります。 (2021年3月15日 23時) (レス) id: 2be049e179 (このIDを非表示/違反報告)
星来(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。私は何とも幸運なことに昨日こちらの作品を見つけまして、更新の望みをかけて通知付けさせて頂いたところで、再開のお知らせを新参ながらとても喜ばしく思います。コナンの沼におかえりなさい!!!楽しみにお待ちしてます! (2021年3月15日 16時) (レス) id: 4e1206599e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:+G | 作成日時:2019年4月27日 22時