FILE.47 トップシークレット ページ47
『あの、私ってどうやって着替えたんですか...ね?』
短い沈黙の中、唐突に神妙な面持ちで聞いてしまったからか、沖矢さんが口を開くまでに少しだけ間があった。
「__ご安心ください、私はあなたをここへ運ぶ時以外、指一本触れていませんので。貴方の着替えはこの家の家主の.....」
その言葉と同時に、リビングの扉を開ける沖矢さん。
そして中に見えたのは__
「あら〜!遥ちゃん起きたのね〜♡」
迷いのない瞳に、芸術的な髪、身体、顔立ち、そして何より聞き覚えのある透き通った声。
新一ママ改め、工藤有希子さん。
凄い、めちゃくちゃいい匂いがする___!
「こちら、この家の家主の奥さん、工藤有希子さんです。」
『はじめまして、えっと、お世話になりました』
「ごめんなさいね、初対面なのに名前で呼んじゃって!アナタのことは彼から色々聞かせてもらったのよ〜」
『い、いえ!気にしてないです!』
看病していただいた身ですし、と言おうとして、遮られた。
遮られたというか、勢いに負けた。
「それはそうと大丈夫?心配したのよ〜、一日中寝込んじゃってたからこのまま起きないんじゃないかって!」
『大丈夫です、熱はもう引きましたし....』
「彼女、僕が彼女の身ぐるみを剥がして着替えさせたんじゃないかと、そればかり気にしていたようですから。」
い、言い方....
「安心して〜、アナタのボディは私しか知らないトップシークレット♡男性陣には出てってもらってたから!」
「女性一人では大変だと思いまして、僕らも手伝うつもりだったんですが....」
「ダメに決まってるでしょ!って言って追い出しちゃった♡」
『それは...ありがとうございます』
ありがとうございますで正解なのか?
でもとりあえずよかった....赤井さんとはいえ___
いや、赤井さんだからこそ下着姿なんて見られたくなかったし。
「はい、これアナタが着てたお洋服ね!」
綺麗に畳まれて差し出された黒い服を両手で受け取り、
『ありがとうございます。』
と言うと、有希子さんの目はその服から離れなかった。
「アナタ、どこかのご令嬢?」
『いえ___』
違います、とは言えなかった。
可能性は十分にあるからだ。
通帳に書かれた金額の桁数、一人暮らしにはもったいない広さの自宅、いかにも高そうなこの服__
おそらく有希子さんが令嬢だと思った理由もこの服であろう。
『__不自由のない生活はさせて頂いてます。』
「あら、謙虚なのね。」
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Ohata(プロフ) - いや 私には700ヤード先の直径1cmの的にピンポイントで弾を食らわせる超人スナイパーに見えます。 現場からは以上です。 ←まじ笑いましたwww (10月9日 10時) (レス) @page6 id: 6c4593a5ce (このIDを非表示/違反報告)
+G(プロフ) - 舞さん» コメントありがとうございます。頑張ります! (2021年4月4日 11時) (レス) id: 2be049e179 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 更新頑張ってください^o^ (2021年3月28日 23時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
+G(プロフ) - 星来さん» コメントありがとうございます。通知付けして頂き、とても嬉しく思います!頑張ります。 (2021年3月15日 23時) (レス) id: 2be049e179 (このIDを非表示/違反報告)
星来(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。私は何とも幸運なことに昨日こちらの作品を見つけまして、更新の望みをかけて通知付けさせて頂いたところで、再開のお知らせを新参ながらとても喜ばしく思います。コナンの沼におかえりなさい!!!楽しみにお待ちしてます! (2021年3月15日 16時) (レス) id: 4e1206599e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:+G | 作成日時:2019年4月27日 22時