FILE.46 一方通行は破れない ページ46
「それで、体調はどうです?」
『えっと....それなんですけど、私ってどうしてここにいるんでしょうか....?体調とはどういう...』
そう言うと、沖矢さんは一度足を止め、何事も無かったかのようにまた歩き出した。
「そうですね....どうしてだと思います?」
ええ....
『ごめんなさい、何も覚えていなくて....』
「そうですか、それは残念ですね。昨晩はあんなに可愛らしい声で名前を呼んでくださっていたというのに。」
......What?
『あ、ああああの、それってどういう...!!』
「冗談ですよ。」
『___冗談が過ぎますよ!!あ、焦るじゃないですか。』
「ははは、元気そうで何よりです。」
こいつ....!!!
赤井秀一に弄ばれてるこの状況、
嫌じゃないのがよりムカつく.....
そうして愉快に笑っていたかと思ったら、沖矢さんは急に真面目な顔をして手を伸ばし、
「失礼」
と言って、私の前髪を避けて額に手を添えた。
『え?』
___やばい。近い。何だこの人。
「熱は下がったようですね。」
『.....熱?』
「全く覚えていないようなので最初からお話しますと.....」
そう言って、私がスーパーで高熱で倒れたこと、
その後工藤邸にて看病してもらっていたこと、
実は丸一日寝込んでしまっていたこと、
このまま起きずに死んでしまうのではないかと心配されていたこと....
など、事の一部始終を話してくれた。
『そうだったんですか....お世話になりました。』
「いえ、それにしても40℃近くの高熱なんて、無理をしすぎではないですか。」
まあ...ここ数日で、色々じゃ収まらないくらい多くの出来事があったから無理もない.....
『今後は気をつけます。』
「ええ、そうしてください。」
最初に駅で会った日からすると、物理的な距離は近くなっていると思うが、どうにも心の距離が遠いような気がする。
遠いというより、近づくことを許されていない感じ。
沖矢さんの方から私に近づくときの壁は、冗談を言えるくらい柔らかいのに、
私が沖矢さんに近づくとき__もはや近づけたことなんてないんだけど、鉄壁で姿すら見えない程ガードが硬い。
勘違いするな、お前は敵だ、みたいな....
お互いの情報は私の方が圧倒的に多く持っているということを忘れてしまいそうだ。
でも、今日の私は病み上がり。
骨折するとクラスのみんなが優しくなる的な作用が働くのでは!?
....てことで、今一番気になっていることを正直に聞いてしまおう。
FILE.47 トップシークレット→←FILE.45 本の匂い
2353人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Ohata(プロフ) - いや 私には700ヤード先の直径1cmの的にピンポイントで弾を食らわせる超人スナイパーに見えます。 現場からは以上です。 ←まじ笑いましたwww (10月9日 10時) (レス) @page6 id: 6c4593a5ce (このIDを非表示/違反報告)
+G(プロフ) - 舞さん» コメントありがとうございます。頑張ります! (2021年4月4日 11時) (レス) id: 2be049e179 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 更新頑張ってください^o^ (2021年3月28日 23時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
+G(プロフ) - 星来さん» コメントありがとうございます。通知付けして頂き、とても嬉しく思います!頑張ります。 (2021年3月15日 23時) (レス) id: 2be049e179 (このIDを非表示/違反報告)
星来(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。私は何とも幸運なことに昨日こちらの作品を見つけまして、更新の望みをかけて通知付けさせて頂いたところで、再開のお知らせを新参ながらとても喜ばしく思います。コナンの沼におかえりなさい!!!楽しみにお待ちしてます! (2021年3月15日 16時) (レス) id: 4e1206599e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:+G | 作成日時:2019年4月27日 22時