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FILE.29 見慣れた風景 ページ29

「では、僕はここで。」


ポアロの入口前で安室さんがようやくコナンくんを肩から下ろした。


「またね!安室の兄ちゃん!」


コナンくんはぴょんと地面に足をつけると、
えへへ と安室さんに笑いかけている。



なんだこの可愛い生き物...



安室さんは屈んでコナンくんと目線を合わせると、

「また面白いお話聞かせてね、コナンくん。」


と言ってコナンくんの頭をわしゃわしゃする。


ああ....この空間にずっと居たい
デジャヴ....


トロンとした目で2人を見つめていると、立ち上がった安室さんと吸い込まれるように目が合った。

そしてすかさず営業スマイル。

あの笑顔に何人の女が堕ちたことか。



私は安室さんの真似をするようにニコッと笑いかけてそそくさと他に目をやった。


安室さんはまだこっちを見ているみたいだ。

ちょっと気まずい。



毛利探偵事務所への階段を登ろうとしている蘭ちゃん達に逃げるようについていき、
少し経ってからポアロのベルが聞こえたのを確認する。


相変わらずお腹の空く音だ。





「どうぞ。」


蘭ちゃんに勧められて毛利探偵事務所の中へ入ると、案の定小五郎のおっちゃんは酔いつぶれていた。

本来仕事用であろうデスクの上には大量の空き缶と1円にもならなくなってしまった馬券がちらほら。


今なら妃先生の気持ちが凄くわかる。


蘭ちゃんも同じことを思ったようで、
大きなため息をついた後

「あれは気にしないでください...」

と半ば怒り気味で言ってきた。



『お、お疲れなんですよね...探偵業で...。』



と、フォローしたつもりが、それがむしろ蘭ちゃんの頭にカチンと来てしまったらしく...




「探 偵 業 でね!!」



その言葉と共におじさんは叩き起されるはめに。


ごめんね小五郎のおっちゃん。


「ファッツエッフ!?!?な、なんだ!?事件か!?」

「んもう!仕事中でしょ!!」

「なんだ、蘭か...どうした...」

「どうしたじゃないわよ!!お客さんよお客さん。」

「あ?おきゃく?」

「って言っても依頼じゃないからお父さん関係ないけど...」


眉毛ごと瞼を開けていかにも眠そうな顔のおっちゃんは、''お客''という言葉だけ聞いてこちらを見た後、

蘭ちゃんの声を無視して覚醒したかのように一瞬で目を覚ました。


「ど〜うぞ!!よくおいでくださいました!!!私がかの有名な名探偵毛利小五郎でございます。」


気がついた時には顔が目の前に。


近い...し、酒くさっ!!!




『え、えっと...』

FILE.30 宝石の似合う女(1)→←FILE.28 小さなナイフと大きな傷



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設定タグ:名探偵コナン , 赤井秀一 , 安室透   
作品ジャンル:アニメ
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Ohata(プロフ) - いや 私には700ヤード先の直径1cmの的にピンポイントで弾を食らわせる超人スナイパーに見えます。 現場からは以上です。 ←まじ笑いましたwww (10月9日 10時) (レス) @page6 id: 6c4593a5ce (このIDを非表示/違反報告)
+G(プロフ) - 舞さん» コメントありがとうございます。頑張ります! (2021年4月4日 11時) (レス) id: 2be049e179 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 更新頑張ってください^o^ (2021年3月28日 23時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
+G(プロフ) - 星来さん» コメントありがとうございます。通知付けして頂き、とても嬉しく思います!頑張ります。 (2021年3月15日 23時) (レス) id: 2be049e179 (このIDを非表示/違反報告)
星来(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。私は何とも幸運なことに昨日こちらの作品を見つけまして、更新の望みをかけて通知付けさせて頂いたところで、再開のお知らせを新参ながらとても喜ばしく思います。コナンの沼におかえりなさい!!!楽しみにお待ちしてます! (2021年3月15日 16時) (レス) id: 4e1206599e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:+G | 作成日時:2019年4月27日 22時

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