疑われるのは覚悟しておりました【名探偵コナン】※トリップ

FILE.3 知らない夜空 ページ3

『か、変わった趣味をお持ちなんですね。』

「ええ、よく言われます。」

この流れじゃ永遠に帰してもらえなさそうだし、
あんまり関わると面倒なことになりそう...
早いとこずらかろう...

『では私はそろそろ...』

そう言って半ば逃げるように立ち上がると、
再び腕を掴まれる。


「あんな真似をする人を一人になんて出来ませんよ。」

これ一歩間違えたら通報案件だよね
やってることはカッコイイけど
その優しさ、すっごくいらないです！！


『そ、そうですか...うーん...』

露骨に困ったような顔をすると、
沖矢さんは何かを思いついたように立ち上がった。


「そうだ、こんな所で立ち話するのもなんですし、良ければ今からお家へ伺わせて頂けませんか？」

立ったの今さっきだけどね！！
さっきまでは座り話だったよ！！

ああ、なんかもう、
面倒くさくなってきた。




______そうだ、この際思いっきりこの状況をエンジョイしちゃえばいいじゃん。

現実世界で死のうとしてたんだから
第2の人生みたいなもんだし！！





よし、そうしよう。


ええい、どうにでもなれ。


『それなら是非。』

「ありがとうございます。」


家知られるのはちょっと気が引けるけど
赤井さんだし.....まあ、別にいいよね。





改札を抜けて駅から出ると、綺麗な夜景が広がっていた。







あれ。









ここどこだっけ。






そうだ....！！
ここ名探偵コナンの世界なんだった！！

何県？何駅？ここどこ？

沖矢さんいるから東京かな？？



あ、そうだ看板看板！


おもむろに駅の看板を探すと、
【米花町】という文字が見えた。


あー米花町ね。米花町。はいはい。


いや

米花町！？！？

その名前を見て、本当にトリップしたんだと改めて実感する。



そんなこんなでとてつもない焦りと興奮でいっぱいだけど、それは頭の中の話。

沖矢さんにはあくまでも平然を装っている。

昔からポーカーフェイスは得意だし、嘘をついたり心を隠したりするのは容易だ。

まああんな人生送ってれば当たり前だけど。



「いつ見ても変わりませんね、この夜景は。」

『そうですね...』

「遥さんの自宅はここから近いんですか？」

『あぁ、まあ.....』





そしてもう1つ大事なことを思い出した。





家........

わかんないんだけど。

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