◇07 ページ7
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……なんか、ムカつく。
もう目の前には無い彼女の背中を思い浮かべながら。
私は、怒りにも似た感情を抱いていた。
あまりに少しずつ育っていて。
自覚してなかった。
なんか、ムカつくな……。
だってきっと彼女は……。
手の中でクシャクシャになってる紙に視線を落としながら、大きく溜息をついてる私の所まで、翔君と吉田さんが走り寄ってきた。
翔「……お前、どうすんの」
「……行かないワケいかないでしょ」
吉「アイツ、割と怖いぞ……?」
翔「だって、お前……」
翔君の表情を見れば、きっと私の予想は当たっているみたいで。
こういう時に、女の勘なんて働かないでくれたらいいのに……なんて思ったけれど。
だからと言って、売られた喧嘩だ……ここで黙ってるようなヤツだと思われたくない。
「大丈夫ですよ……それに、こんな事される意味が分からないし」
クシャ……と、私の掌の中で紙が音を立てて、翔君も吉田さんもそっちに視線が向いた。
そんな2人をそのままに仕事に戻ると、翔君も吉田さんも渋々といった感じで、出てきたバックヤードに戻っていって。
同じフロアで働いてるコも心配そうな顔をしていたけど、「大丈夫!」って言う私に少し安心したようだった。
どんな話をされるのかは予測でしかないけれど、彼女が私を気に入らないんだっていうのは、なんとなく伝わってきた。
だったら。
意味の分からない挑戦状を突き付けられるなら、迎え撃つしかないな……なんて思いながら閉店業務を進めて。
いつもよりもサクサク進んで、定時で退勤できた私は、おかしな緊張を感じながらみんなに挨拶をしてお店を後にした。
『……A』
裏口を出たところで、声を掛けられて。
振り向けば、寝癖が付きっぱなしの髪をフワフワさせて、急いで来たのか息を切らせていたニノちゃんが目の前にいた。
自分の膝に両手を付いて、全身で息をしてるみたいに背中が上下に動いてるのを見ながら。
どっちの為に来たんだろう。
そんな事を考えていた。
上がった息を誤魔化すみたいに、ふぅ……と大きく息を吐いてから顔を上げた彼は。
いつもみたいにくるんと口角を上げた。
そうして、足を一歩前に踏み出したニノちゃんは、私の頭をポンポンと撫でたんだ。
ラッキーカラー
あずきいろ
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黒衣(プロフ) - ★mmiioo★さん» そうなんです!&そうなんですね!良いトコです福島県♪大好きです福島県♪ そしてストーカーやっぱり怖いですよね(笑) 続きも楽しんで貰えると嬉しいです! (2017年7月26日 0時) (レス) id: 9cf8dc8670 (このIDを非表示/違反報告)
★mmiioo★(プロフ) - 黒衣さん、福島県?!私も!今は関東にすんでるけど、地元は福島県です。あーあのストーカー女、怖いね((((;゜Д゜))) さて、続き読みます! (2017年7月24日 15時) (レス) id: 59f57126ed (このIDを非表示/違反報告)
黒衣(プロフ) - みつなさん» コメントありがとうございます(*'ω'*) 私の二宮さんイメージを詰め込んでみました。楽しんで頂けたようで嬉しいです♪ 言葉の選びが素直じゃなくて、やっぱり懐に入り込むのが上手い、そして自分の気持ちを隠すのが上手い気がしています。惚れますよね(笑) (2017年7月9日 22時) (レス) id: 9cf8dc8670 (このIDを非表示/違反報告)
あか(プロフ) - みつなさん» みつなさぁぁぁぁぁぁぁん!ありがとうございますー!私にしては←爽やかになりましたでしょうか?(笑)あまり書いたことない爽やか?に戸惑いつつ。がんばりまーす!そして背景画は黒衣さんセレクトです! (2017年7月8日 23時) (レス) id: 419932bee8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり - 続きをお願いします (2017年7月8日 14時) (レス) id: 008d99490d (このIDを非表示/違反報告)
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