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一人、時が止まったように固まる私
その様子に違和感を感じたのか、後ろからつんつんしてくる章ちゃん
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「あっ、ごめん」
安「ええけど、どうかした?ペン貸そか?」
「いや、あの、」
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「もしかしてこれ…」
安「ん…?え、横山くんやん」
「え、その横山くん?」
安「せやで、横山裕やったはず!」
安「よう見つけたな!てかおったんやなこの授業に」
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5つ前ということは、二人掛けだから三列前に座っているどちらかなはず
首を伸ばして見てみると、三列前は二人とも男の子で
黒髪の子と、暗い茶髪の子が座っていた
どっちかが横山くん…顔見えないかな
伸ばした首を引っこめると
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安「気になる?」
「え、?いや、別に、」
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茶化すように微笑みかけてくる章ちゃん
ごもる私を見てまた優しそうに微笑む
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安「左側。黒髪の方やで」
「…」
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章ちゃんがペンで指す方向を向くと
落ちた消しゴムを拾うために椅子を引いて、ちょうど振り向いた横山くん
チラッと見えた白い横顔に、胸が高鳴る
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安「おっ、今ちょうど見えた?」
安「結構男前やねん、どう?ええ感じやろ?」
「ぁ、あんまり見えなかったよ」
安「ほな来週は近く座ったろ」
「なんで楽しそうなのよ」
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いたずらに笑って、私から名簿を回収する章ちゃん
なになに?と不思議そうな顔をする丸ちゃんを後目に
残りの時間は、なぜか横山くんから目が離せなかった
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これが、私と横山くんの出会い
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作者名:茉咲 | 作成日時:2021年9月18日 14時