劇団コケコッコー『雨降らしの夜』�� ページ21
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野村｢初日お疲れ様でしたー！｣
全員｢お疲れ様でした！｣
最後まで緊張しっぱなしやったけど、野村くん達のフォローのお陰で無事初日が終了した。
野村｢Aさん、お忙しい中我々のわがままに応えて頂きほんまありがとうございます。
お陰様で幸先良く初日を終えることが出来ました｣
団員｢ありがとうございました！！｣
『皆が私を上手にフォローしてくれたから成功出来たんよ』
大西｢謙遜せんでえぇのにー｣
北野｢そんなとこが素敵やけど！｣
洲崎｢あぁーっ、俺もAさんの相手役やりたい！｣
伊丹｢俺かてやりたい！脚本書き直しで急遽野村さんとくっつく展開になるなんて…｣
堀川｢さすがAさんやわ。ヒロインのイメージにぴったりやし演技力もすごかったし｣
樋口｢私らなんて足元にも及ばんわ｣
鮫島｢私らも負けてられへんね｣
『そんなことないよ。同性の皆がおらんかったら私の緊張は増すだけやし、経験積んでるだけあって演技力だってすごかったのに。皆こそ謙遜せんでえぇのに』
お互いを褒め合う穏やかなやり取りで楽屋はほのぼのとした空気が流れる。
そんな空気を打ち消すかのように、楽屋のドアからドス黒いオーラを感じた。
野村｢お、大林さん…｣
洲崎・伊丹｢わ、わざわざありがとうございますっ！｣
大林｢…お疲れさん、差し入れや｣
中谷・北野・大西｢い、いただきます！｣
何故か不機嫌全開な健二が挨拶に来たのか差し入れを持って龍飛と亜美里を連れて来ていた。
男性陣はそんな健二に怯えているようで、大量の冷や汗をかいている。
大林｢…Aお疲れ。めっちゃ良かったで｣
男性陣とは打って変わって私にはさっきの不機嫌オーラが嘘みたいにいつもの優しい表情になった。
『ありがとう。めっちゃ緊張したわ』
大林｢でも完璧に出来たやんか｣
『全部皆のお陰よ』
大林｢お前がおるからこいつらのモチベーションも上がんねん。さすが俺の嫁や｣
優しい表情のまま私の頭を撫でてくれる健二のゴツゴツした大きな手。
この手で私と子どもらを愛してくれてるんや。
｢ママよくできました！｣
｢だぁー！｣
『ありがとう。明日も明後日も頑張るからパパと応援してな？』
｢うん！｣
野村｢…もう早家族の世界に入ってもた｣
大西｢いっつもこんな感じなん？｣
洲崎｢そうなんです。イチャつくと周りが見えんくなるんですよ。あの二人｣
中谷｢最早劇場名物よな｣
鮫島・堀川・樋口｢素敵な風景…｣
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作者名：コッティ | 作成日時：2019年3月9日 23時
