壊れた眼鏡�� ページ3
粗品｢"大事な宝物"って、どういうことですか？｣
Aさんが去った後、気になった"大事な宝物"の意味を真剣な面持ちで教えてくれたのは、28期の皆さんやった。
梅村｢…あの眼鏡はな、ロンのおじいちゃんがロンの成人祝いにプレゼントしてくれたモノなんや｣
濱田｢おじいちゃんからの、ですか？｣
梅村｢お前らも知ってるやろ？ロンがどれだけおじいちゃんを慕ってるんかを｣
粗品｢はい、勿論｣
最近ハンミさんのラジオでおじいちゃんの生い立ちの話になって胸が熱くなったことが記憶に新しい。
木崎｢ロンは芸人として伸び悩んでたんや。ネタもキャラも定まってなかったし。
そんな中でおじいちゃんがあの眼鏡をくれたねん。その時に｢眼鏡で印象付けすればえぇんちゃうか？｣っておじいちゃんがアドバイスしたねん｣
皆川｢じゃあ、ロンさんの眼鏡キャラはおじいちゃんから…｣
木崎｢そうや｣
ロンさんの眼鏡キャラ誕生におじいちゃんが関係してたなんて…。
そのアドバイスが見事に当たったんや。
稲田｢あの眼鏡を掛けてからロンは芸人としてほんまに変わったな。お客さんに覚えて貰えるようになったし、イケメン真面目っ子として人気になったし｣
空｢何よりあの眼鏡はあいつにとっては離れて暮らすおじいちゃんそのものやねん。
おじいちゃんがずっと自分の側におってくれてる気がするみたいで、10年以上あの眼鏡以外使ったことないねんで｣
梅村｢Aちゃんが怒ったんも、ロンがあの眼鏡をどれだけ大事にしてるかよく知ってるからやろな。幼なじみやし｣
櫻井｢Aちゃんもおじいちゃんを慕ってるし｣
ロンさんのおじいちゃんへの思いと、ロンさんを思うおじいちゃんの優しさにまた胸が熱くなった。
羽尻・せいや｢えぇ話…｣
皆川｢親思う子心に勝る親心みたい…｣
濱田｢思い思われ…｣
誠子｢ロンさん素敵…｣
渚｢ロンさんの気持ち踏みにじりやがって…！ナダル眼鏡屋行くぞ！｣
ナダル｢はぁ！？｣
空｢俺らも付いて行くぞ！｣
西野｢先にATM行ってナダルさんの口座から修理代下ろしましょ｣
木崎｢めっちゃえぇ眼鏡屋あるかな？｣
ナダル｢いやちょっ、安値で直してくれるとこ行きましょうよ！｣
梅村｢アホか！人のモン壊したら大金払ってでも弁償するモンやぞ！｣
渚さんを筆頭に西野を含めた先輩方はやいやい文句を言うナダルを引きずって楽屋を出た。
粗品｢…俺らはロンさんとAさん探そう｣
全員｢おん！｣
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作者名：コッティ | 作成日時：2019年3月9日 23時
