壊れた眼鏡�� ページ2
横山｢……｣
西野｢ロンさんごめんなさい！
ほら！ナダルさんもちゃんと謝らな！｣
ナダル｢痛っ！頭掴むな！｣
色を失った瞳で自分の両手に乗せられた愛用の眼鏡を見つめる弘。
両手の上の眼鏡はレンズが双方クモの巣みたいな亀裂が入っていて、双方の丁番がぐにゃりと曲がってフレームが外れているという変わり果てた姿やった。
そんな弘と眼鏡に向かって深く頭を下げる西野くんと西野くんに頭を掴まれるナダルくん。
それは漫才劇場の楽屋で弘と二人でネタ合わせをしていた時に起こった。
眼鏡を外しテーブルに置いて私のネタ帳を弘が凝視していると、西野くんとコントの練習をしていたナダルくんがバランスを崩してよろけて、私と弘が座るテーブルに勢いよくぶつかった。
その振動で眼鏡がぶっ飛び、眼鏡は床に落ちてしまった。
それだけならまだしも、落ちた場所が運悪くナダルくんの足元やった。
ナダルくんが立ち上がったことで、眼鏡は無惨な姿と化してしまったのだ。
梅村｢うわー、もうレンズは取り替えなあかんな。こんなに割れてたら修復は効かんわ｣
木崎｢ナダル謝れよ。壊したんはお前やぞ｣
羽尻｢何を渋ってんねん？｣
渚｢早よロンさんに謝れや｣
放心状態の弘を慰める梅ちゃんの横で皆がナダルくんに謝罪を急かすけど、ナダルくんは中々謝ろうとせず｢いやでも…｣などと謝罪を渋る。
中谷｢早よせぇよお前｣
粗品｢何も悪くない西野が謝ってんねんぞ｣
ナダル｢こんな所に眼鏡を置いとくロンさんもロンさんですよ。コントの練習してる人の近くで壊れやすいモノ普通置かないでしょ？それに眼鏡一個壊れたくらいで…｣
横山｢！！｣
ナダルくんが発言した直後、弘がナダルくんの胸ぐらを掴んだ。
ナダル｢な、なんすか！？｣
櫻井｢ロン！やめろ！｣
稲田｢落ち着け！｣
横山｢……お前、絶対許さん…｣
ナダルくんを人を殺せそうなくらい鋭い目付きで数十秒睨んだ後、乱暴にナダルくんを放して弘は楽屋を後にした。
『弘！』
空｢ロン！…っ、ナダル！！｣
阪本｢お前何考えてんねん！？｣
誠子｢ロンさんが可哀想やん！｣
ナダル｢いやだって、あれ僕悪いですか！？｣
梅村｢お前なぁ！｣
『ナダルくん！！今回ばかりは私も怒ってるから！！』
ナダル｢なんすか！？Aさん！｣
『あの眼鏡は、弘の大事な宝物なんやから！！』
怒りに任せて怒鳴るだけ怒鳴ったら、弘を探すために私も楽屋を出て行った。
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作者名：コッティ | 作成日時：2019年3月9日 23時
