花はそして突然に【sha】 (ページ4)

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三欠片-sha ページ4

sha「え、なんで？俺の秘密基地…」

『私の家。』

sha「えぇ…。なんでや！ええやん別にぃ…」

『大人の事情。』

sha「俺ら子供やけど。」

『だから私も知らないんよ。』

疎外感を感じる、なんて言いながらAは、廃墟の外に見える森を眺めていた。空が暗かったからか外の森だけは別の世界のようにも見える。

sha「ここって、元々どんな建物やったんやろ…」

『えぇっと…たしかえ時間管理するとこ…。』

sha「時間管理？時間って管理できるもんでもないよな…。頭おかしいんとちゃう？」

『かもね。』

自傷気味にふっと天使みたいな笑みをこぼしたAはすぐに「でも」と続けた。

『もしこの時に戻れたら、とか、将来こうあれば、みたいな過去とか未来を変えたりできるかもしれんって思ったらいいと思わない？』

sha「確かにええかも…。」

過去とか未来を変えれるなら、何て悶々と考えていたら興味を無くしたのかAはまた外を眺め始めた。

俺もつられて外を見ると、雨はすっかり止んで、空がうっすらと茜づいていた。

『そろそろ帰りなよ。』

sha「…‥まぁもう行かんと家着く時真っ暗やな…。」

行きたくない、と言う気持ちを抑え込んでゆっくり立ち上がった。

『そうだ、これあげるよ。この前ここで拾った。』

sha「え、なんこれ？」

パッと投げて渡されたのは表に花が、裏には時計の盤が描かれたコインだった。

『すごいよな。このコイン。今んとこ私のとシャオロンので世界に二つだけ。花の名前は知らん。』

sha「ほんまに？！！したら俺とAでお揃いやな！！」

また、明日会いにこよう。なんて、密かに心に決めて。

sha「ありがとぉな！！A！！また明日〜！」

『！……また。』