40.゚ ページ40
里紗からの連絡に、慌てて家を飛び出して。
とりあえずコンビニに寄って、
あれやこれやとカゴに詰め込む。
LINEの返事が来なかったから合鍵を使って部屋に入れば。
すやすやと眠っている里紗が居て、ほっとひと安心。
『熱っ…』
だけど、そのおでこにそっと触れれば熱くて。
よく見たらじんわり汗ばんでいる首元。
…疚しいことを考えてないと言ったら、嘘になる。
だって。ねえ。警戒心とか、どこにあるの?
『…あーもう……っ、里紗?』
「ん〜…」
このまま見ているのは限界で、
ちょっとの罪悪感と共に里紗の肩を揺らした。
「…はや、ちゃん?ほんとに来てくれたの…」
『当たり前じゃん、とりあえず冷たいの貼るよ?』
冷却シートを取り出しておでこに貼れば、
「ひぃ、冷た」
なんて可愛い声を出すから思わず頬が緩む。
『おかゆ、あっためてくるから待っててね?』
「ありがと…」
ちょっとだけ。ちょっとだけね。
嬉しかったなんて言ったら不謹慎かな。
里紗が助けて、って頼る相手が、俺だってことが
嬉しくて仕方ない。
工藤さん、とか言うイケメンじゃなくて、
里紗は俺を頼ってくれたんだよ?
「…はやちゃん、大丈夫?」
『わ、びっくりした』
ハッとすれば後ろに里紗が立っていて。
可愛いパジャマに無意識の萌え袖と。
寝ぼけ顔に寝癖がぴょこんと出ていた。
「寝癖そんなついてる…?ていうかこんな格好でごめん…」
『ふふ、今持ってくから待ってて。』
恥ずかしそうに頭を触り、
熱のせいもあって赤い頬。
ねえ、工藤さんはこんな顔も姿も知らないよね?
319人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あかり(プロフ) - 。さん» はじめまして!そう言っていただけて嬉しいです!励みになります。これからも最後までお付き合いください◎ (2017年10月25日 8時) (レス) id: 7a52df4d5b (このIDを非表示/違反報告)
。 - すごく凄く面白くて表現がとても綺麗で読んでいてきゅんって、できるような作品でとても好きです。 (2017年10月25日 0時) (レス) id: ff129d1410 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あかり | 作成日時:2017年9月24日 0時