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『起きてる?』
「ううん、寝てる」
午後からの仕事の効率を左右するのは、絶対昼寝だ。
だから、お昼休みは私のお昼寝タイムな訳で。
会社のオープンスペース、
机に顔を突っ伏して眠りにつこうとした瞬間。
大輝にこうやって話しかけられても、
適当にあしらいたくもなる。
『おねーさん、起きてますよね?ご飯食べた?』
「食べてない」
『体に悪っ!OLなんだからちゃんとして』
「…大輝、暇なの?」
『失礼だな、午前中営業行って戻ってきたとこだよ』
「お疲れ、あと15分後に起こして」
『同期を目覚ましに使うんじゃないの!』
そんな声がぼんやりと聞こえる。
ガタン、と椅子の音が聞こえて、
ほんの少し、大輝の匂いがした。
…同期の私から見ても、大輝は仕事が出来る。
頭が切れると言うか、なんというか。
そもそも部署が違うから、
一緒に仕事はしたことは少ないけれど。
いつかした合同ミーティングで淡々と話すその姿は、
確実に仕事の出来る人、だった。
…それでも、大輝に彼女が居ないなんて。
世の中ってうまく出来てないもんだなあ。
…
『…おい、15分経ったから起きて』
「…んあ、おはよ」
『はいはいおはようございます、午後も頑張りましょうね』
15分後、きっちり私を起こして。
私の好きなカフェオレを置いて
オープンスペースを後にする彼は、きっとモテる。
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あかり(プロフ) - 。さん» はじめまして!そう言っていただけて嬉しいです!励みになります。これからも最後までお付き合いください◎ (2017年10月25日 8時) (レス) id: 7a52df4d5b (このIDを非表示/違反報告)
。 - すごく凄く面白くて表現がとても綺麗で読んでいてきゅんって、できるような作品でとても好きです。 (2017年10月25日 0時) (レス) id: ff129d1410 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あかり | 作成日時:2017年9月24日 0時