風紀委員長のわんこですが (ページ8)

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7匹目　プレゼントページ8

『こ、これ…もらっちゃっていいんですか？』

私が応接室の扉から顔だけのぞかせると、中には委員長と副委員長・草壁さんがいた。

授業が終わって、委員会に行って、紙袋を手渡されて、わけもわからずトイレに向かわされて……

袋から出てきたのは、紺色の上下に、渋い赤色のリボンと白い三本線が通った独特の襟が特徴的な、

所謂"セーラー服"だった。

そしてそれに袖を通して、今に至る。

「かまわないよ」

委員長は私の顔をちらっと見て答えた。

福利厚生しっかりしてるなあ…

「……何してるの？出てきなよ」

『う………』

さりげなく扉の影に隠れていたつもりだったのに……

セーラー服自体は別に嫌いではないのだが、これは…少し恥ずかしかった。

でも、上下関係の厳しい組織だ、委員長に逆らうことはできない。

少し躊躇いながらも、

……仕方ない、と私はしぶしぶ動き出す。

『ぎゃっ！？』

我ながら情けない声が出て、視界がわずかにぐらつく。

私の足をもつれさせたのは

引きずるほど長いスカートだった。

そのまま勢いよく飛び出てしまったが、なんとかバランスをとることで転倒を免れた。

「スケバン……？」

「…………」

ギョっとする草壁さんと無言の委員長の視線にさらされて、自分の顔が熱くなるのがわかる。

地味な私がこんな格好をするなんて、きっと笑われる。

『こんなもの…』

私は地面を見たまま小さく呟いた。

「いいんじゃない」

なんでもないようなトーンに胸がはねた。

パッと顔を上げる。

「明日から、それ着て来なよ」

私の顔はさらに熱くなった。

委員長がそう言うなら……仕方ない。

『そ、そう…ですかね？』

口元ゆるゆるな私を、草壁さんが微妙な顔で見ていた。

✧

『どうして私の制服のサイズがわかったんですか？』

「並中生の個人情報は全部僕が握っているからね」

『えぇ…』