風紀委員長のわんこですが (ページ5)

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4匹目　恐怖の風紀委員長ページ5

わんこになってから一週間、分かったことが二つ。

ひとつ、応接室で眠っていたあのカッコイイ人は風紀委員長の雲雀恭弥さん。めちゃくちゃ強くて危ない人。まあそれは犬宣言されてからわかっていたけど。

ふたつ、風紀委員は不良が集まって学校全体の風紀を守っている組織。何故かみんな学ランリーゼント。他の委員会以上の力を持っていてその権力は並盛全体にまで及ぶ。

『委員長、この資料は…』

「ああ、そこ置いといて」

変な人たちの中に飛び込んじゃったと思っていたけど、適応能力が高いのか大抵のことに動じなくなってしまった。

委員会の仕事は忙しい。でも、もともと家帰ってすることなんて勉強くらいしかなかったし。この状況を結構受け入れている自分がいる。

「あと…プリン買ってきて」

本当に慣れとは怖いもので、

『なっ！？私パシリですか！？』

気の迷いでツッコミなんてしてみる。ていうかプリンってちょっとかわいいな。

しかし。

「…何？

君ができることなんて、パシリか僕のサンドバッグくらいでしょ」

鋭い眼差し。ガチの殺意だ、これは。

『ひぃぃっ調子乗ってごめんなさいぃ』

委員長の視線から逃げるように応接室を出ていく。

どれだけ仕事に慣れてもきっとあの目には一生慣れない。

……これからは心の中でツッコミをしよう。