風紀委員長のわんこですが (ページ11)

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10匹目　戦わなければ生き残れない!③ ページ11

しばらくすると草壁さんが戻ってきた。

ガラガラガラ

今度持ってきたのは……台車？

ヤンキー達の付近に台車を止め、彼らの上半身を抱えて乗せ始めた。

わ、私も手伝わなきゃ。

そう思って倒れた1人の脇に手を入れて持ち上げようとするが、びくともしない。

しばらくして、格闘を続ける私の肩に手が置かれた。

草壁さんだ。

優しい顔をして首を振るので、私はそっとその場を離れる。

もう他の2人を積み終えた草壁さんは、残る1人も軽々と運び、すぐに仕事を完了させた。

『あ、あの』

台車を押して外へ向かう草壁さんに早足で近づき、お礼の言葉を言おうとするが、

「しーっ」

本人が自分の口に指をあててそうするので阻まれてしまった。

不謹慎ながら下の兄弟がいっぱいいそうだな～とか考えたりした。おんぶ紐似合いそう…

「委員長がこいつらの処理を頼んだのだろう？」

『はっ！？はい』

突然話しかけられてびくっとした。どうやらもう図書室を出ていたようだ。

「男ばかりで力仕事をそのままにしてきたが…もっと効率化を図らないといかんな」

『いや、いいですよそんな、私のために』

「誰もが働きやすい環境を整えるのは当然のことだ。それに、仕事が早く済むようになればみんな助かるだろう」

草壁さん、理想の上司すぎる……

「普段の死体運びは階段を使っているが、そうだな……」

『えっこの人たち死体じゃないですよね？気を失ってるだけですよね！？』

「隠しエレベーターを使おう。付いてきてくれ」

スルーされた？