9代目のお孫さん来る！？ (ページ28)

今日:8 hit、昨日:12 hit、合計:63,484 hit

家族 - 3 ページ28

山本「ここ座っていーか？」

隣の席に手をかける山本。

「うん、もちろん」

濡れた髪からほんのりと石鹸の香りがした。

山父「お次はいくらだよ！これも今が旬なんだ」

「わあー！粒一つ一つがキラキラしてる！」

いくらに負けないほど目を輝かせて、大きく口をあけて一口で食べた。

「んん～♡」

口の中に入れると噛むたびに潰れてうま味を放つ粒に驚きながらも、その味わったことのない美味さに顔をとろけさせる。

じー

隣から覗く視線。

「？どうしたの？」

山本「…すっげーうまそうに食べるのな、Aって」

まっすぐに目を見てニカッと笑う。

日本人は照れ屋が多いと聞いていたが、山本はその範疇ではないようだ。

「おいしいからだよ」

Aは当たり前にそう答える。

山本「！！じゃ、オレも同じの食いたい」

山父「仕方ねーなあ…」

口ではそう言うが、嬉しそうに口元を緩めた。

「あの、山本さんのお父様。お願いがあるのですが」

声を裏返らせながらかしこまって言うA。何かあったのかとふたりはじっと彼女を見た。

山父「なんだい？遠慮なく言ってくれよ」