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…………。
私はその日、体調が良くて珍しく病院の中を徘徊していた。自分の病気がどんなものだかはよく分かっていない。説明こそされたが、イマイチ理解ができなかった。
死ぬかもしれない。というのは聞いたが、あまり現実味がなかった。
私の中で"病気"というものは、どこか非現実的なものだと捉えていたのかもしれない。
そんな日だった。
昨日は点滴を刺されっぱなしで暇だった。
今日は、病院内なら自由に動いていいと言われたのだ。もちろん常識の範囲内で、というものだが。
何かあったらすぐにナースコールを押せるように。と持たされた電子機器を首からぶら下げて、点滴の釣り下がったものを杖のように支えにしながら、病院内を歩き出した。
病院は広いから、探検には事欠かない。子供らしく、年相応の好奇心と探究心には溢れていた。
私は皮膚科のフロアへと行ってみることにした。内科のフロアに留まり続けている私からすれば未知の領域だが──
｢……｣
遊び場では順番を待つ子供が積み木などで遊んでいる。混ざろうと足を向けたが、点滴治療があるので、足を止めた。
｢確かナースさんが、皮膚科には面白い絵本があるとか言ってた｣
それを思い出して、遊び場から少し離れた場所にある本棚へと足を向け直した。
｢どれだろ｣
暇つぶしに本は読む方だが、"面白い本"というのがどれだかはよくわからない。タイトルで気になったものを手に取っては、数ページ読んで戻す。という作業を繰り返す。
面白い本探しに熱心になっていたら、突然後ろから声がかかった。
｢これ戻したいんだけど｣
｢……え?｣
声を上げたのは、別に話しかけられてびっくりしたとかではない。
｢この本、戻したいから、少し避けてくれ｣
ただ彼の容姿が、ビックリするものだったから。と言えば彼は怒るだろうか。
赤髪と白髪が相反するように生えている不思議な髪型に、火傷の跡。
目の奥にはどこか光が無いように見えて、濁ったものが見えたような気がして、少し怖い。身長は向こうの方が高いが、同い年くらいな気がする。となんとなく思う。
まだ新しいように見えるので、きっと今日はこの火傷の跡の事で診察に来たのだろう。と推測した。
────
書きました。良ければどうぞ。
【死柄木弔】貴方の傍で。
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はっしー - 泣けますね。ラストが、、、、、。爆豪君も結婚して、、、。意外です。面白かったです。 (2017年8月14日 4時) (
レス) id: 789bdf4173 (このIDを非表示/違反報告)
天照月夜(プロフ) - 泣いたァ (2017年7月26日 3時) (レス) id: d4fab0f3f8 (このIDを非表示/違反報告)
漱(プロフ) - まーやさん» コメントありがとうございます…！ラストは結構悩んだんですけど報われない感じになっちゃいました…。切なさを感じてもらえたのであれば幸いです！ (2017年6月11日 15時) (レス) id: 7bc15f0ad8 (このIDを非表示/違反報告)
まーや(プロフ) - 死んじゃうのぉぉぉぉぉぉぉ！？切ないですね！←(空気ぶち壊し) (2017年6月11日 10時) (レス) id: 54dce99bb8 (このIDを非表示/違反報告)
漱(プロフ) - 残念なイケメン系女子さん» コメントありがとうございます！誤字指摘ありがとうございます、修正しておきました！ (2017年6月11日 10時) (レス) id: 7bc15f0ad8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：漱 | 作成日時：2017年4月23日 14時
