特技 : 胸きゅん【青】 (ページ24)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:14,569 hit

24 ページ24

.

安「先輩も、友達を取られたんすね」

「大倉君に松下取られた、笑」

安「残り物同士、仲良うしましょ」

「だね。…でも安田君ならすぐ残り物じゃなくなるんじゃない？」

安「え、？」

「いや、安田君好きな人いるって言ってたし。安田君なら簡単に彼女出来そうだな、って」

私何を言ってるんだ

安田君との恋話が嫌だって逃げてたのは私のくせに

安「簡単にとか無理っすよ」

「……ぅん。勝手にごめん」

安「謝らんでエエんすけど」

安田君は凹んだイチゴミルクのパックを片手に立ち上がった。

安「むしろ大変っすよ」

それだけ言って、一回も振り返ることなく安田君は校舎に戻ってしまった。

もうチャイムの鳴る2分前だったから私も校舎に入る。

安田君が手こずる女子ってどんな子だろう

大変って言う程だからアピールしてるんだろうな

……私されてない

次の国語なんかサボって泣き晴らしたい気分だ

別に、今更って感じだ。もう諦めてたし。

とりあえず強がって

家に帰ったら勉強して頭の中に安田君が出てこないようにする。

それだけ。簡単。

だけどそんな簡単な事が出来ないのが恋なんだ、

……って、知るのが高3は遅いよね。

.