切り札とは。 ページ12
開始から数分後。
ポートマフィアの通信室に、病院を監視する構成員からの連絡が入った。
「探偵社社長の病室前に護衛の異能者を確認。金髪の子どもです」
「あの時の小僧か」
中也の呟きが聞こえた。
確か、三社戦争で中也が探偵社に
『彼には打撃攻撃がほぼ効かない。思い切ったねぇ』
「大方、社長を逃がす為の時間稼ぎだろうが__」
「ほ、報告!」
言葉を遮って、構成員の焦った声がした。
「子どもだけではありません!長身の男、虎の異能者...探偵社のほぼ全主力が病室を防衛しています!」
「何!?」
『全主力?』
いきなり総力戦しようっての?
だとすると福沢社長を其処で守る気なのか。
...いや、病院内での戦力は彼等の異能力的に不利すぎる。
それに政府から認められている己として、公共の場でしかも人に危害を加えることは避けたい筈だ。
ならやっぱり福沢社長を逃がす方が最善策。
けれど全員が其処にいる。
......違う。
「順番に戦るか、それとも」
"そう見えるだけ"だとしたら、
「全員一度に戦るか」
彼等には、今最も有力な異能力者がいる。
「俺はどっちでもいいぜ」
『中也、その必要はない』
「あ?如何いう事だよ」
不満そうに言われたが、すぐにその意味が判ったらしい。
現状を見ている構成員達から動揺の声が上がった。
だって彼等は、幻を見ていたんだから。
『オレンジくん...ヘタレだと思ってたけど、人は見た目じゃないね』
怪力くん(※賢治くん)も護衛に適しているけど、太宰がいない今は戦力を欠けさせたくないだろう。
そうなると、幻像をみせて福沢社長達が逃げる時間稼ぎができる最大の護衛にして最小限の戦力__オレンジくんこと谷崎潤一郎くん。
「乱歩さんから、ポートマフィアの参謀に言伝を預かっている」
「...如何すンだ」
『連れて来て』
その後の指示を出して通信を切る。
一呼吸着いてから席を立ち、通信室を出た。
薄暗い廊下に足音が妙に響く。
『いきなり賭けに出たか...上手くいくといいですね、名探偵さん』
聞こえる筈のない彼にそう言った。
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玲佳(プロフ) - 凄く面白かったです! (2019年12月31日 19時) (レス) id: 30c7137208 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - ちびうささん» そう言っていただけて光栄です。イラスト…!!是非お願いします、ありがとうございます!!待ってます(正座)更新頑張りますね! (2019年1月29日 0時) (レス) id: 5c7b126db4 (このIDを非表示/違反報告)
ちびうさ(プロフ) - この小説シリーズ面白くてあっという間に読んでしまった、、、。私ツイッターとかでお絵かきしてるのですがよろしければ参謀ちゃんのイラスト描かせていただきたいです!!更新楽しみに待ってます!!! (2019年1月27日 17時) (レス) id: f5433967f3 (このIDを非表示/違反報告)
はつり(プロフ) - RANAさん» もちろんです!ありがとうございます〜 (2019年1月18日 20時) (レス) id: 3cbdf99785 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - はつりさん» わざわざありがとうございます!!和装徳永とても嬉しいです!!!おにぎりは森さんに買ってもらったんですね(( ありがとうございます!!もしよろしければ小説に載せたいのですがいいでしょうか? (2019年1月18日 19時) (レス) id: 5c7b126db4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:RANA | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php?svd=seb
作成日時:2018年7月1日 18時