【文スト】参謀とは。2

部屋にかえるとは。 ページ11

首領の部屋を出て、自室へと向かう。


そういえば、中也はどうなったんだろう。
太宰に逃げられてうじうじしているんじゃ......


「何か失礼な事思ってるか？」

『滅相もございません』


噂をすれば中也が不機嫌そうに壁に寄りかかっていた。


『最近は読心術が流行ってるの？』

「手前がわかりやすいだけだ」


わー気を付けよー。


歩き出したら、中也も壁から離れ隣に来る。
そのまま太宰の目的について教えてくれた。


『敦くん？』

「あァ。誰が70億も賞金をかけたのか、知りたかったらしい」

『それか』

「ンだよ」

『や、私は"70億"ってのが気になってるんだよね〜』

「お前もか」


だって、たかが少年に70億だよ？

異能を持っているから、ていうのにしては高すぎる額だ。

一体、何の為に敦くんを手に入れようとしているのか...


...にしても


『70億欲しい』

「真剣になったと思ったらそれかよ」

『だってそんな大金手に入ったらキャラメルとおにぎり買いたい放題じゃん』

「もっと他にねぇのか...俺はワインセラーが欲しいな」


そこから、何が欲しいだとかこれに使いたいだとか話す。

中也はお酒関連ばっかり。
いつか肝臓やられっぞ(人のこと言えない)。


部屋につき、ドアを開く。


『あれ』

「どうした」


長机(テーブル)の上に少し大きめの段ボールが置かれていた。
朝はなかったから...お届け物？

近づいて見てみると、なんと手紙つき。


『贈品(プレゼント)？』


はて、何かあっただろうか。

差出人の名前もない。


「怪しくねーか？」

『まぁ、取り敢えず中身を...』


手紙を置いて、段ボールの蓋を開ける。
途端、中から何かが飛び出してきた。それは私の顔に激突し、床に落ちる。


『いっだ！』

「お、おぉ...」

『何感心してンだ』


強気に言ってみるものの、若干声が震えた。


落ちた"それ"を見る。

緑色の、ヌメヌメとした物体。ギョロリと大きい目は私を覗き込んでいる。






嘘だろ。









『いやあああああああああああああああああ！！！』


段ボールいっぱいに、蛙が詰め込まれていた。

中では楽し気に鳴き、外の世界へと飛び出していく。


『こ、こっち来ないで！！ちゅーや！！！』

「うるせぇひっつくなッ！！」


後に、中也が言った。

太宰が私に「よろしくね」と言っていたそうで。









「ふふっ、"倍返し"だよ」

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