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「…後悔は、幾らしても底をつかず、その思いが消える事は無い。何度も何度も自分を責め続けるだろう。俺も、トントンも、そうしてきた」
「……」
「だがな、だからと言って後ろばかり見てはいけない」
俺は、その後悔の理由すら忘れて逃げ出した。そんな俺にAは、仲間達は、呆れてるだろうか。見損なったと、俺を軽蔑してるだろうか。
「この世界のAを、お前は見てきただろう？トントンは過去の記憶に引きずられ情けなく気持ちをひた隠しているが、Aはあいつの隣でいつも幸せそうに笑っている」
「……おん」
「平行世界というと少々語弊があるように思うが…俺達は、お前のいた世界の俺達の生まれ変わりだと考えていた」
「生まれ、変わり…？」
「ああ。俺達はまた別の世界で、こうして再び巡り会えた。なあ、トントン。素晴らしい奇跡だと思わんか？」
グルッペンの言葉に思わず息を飲む。とてもじゃないが信じられない話だ。それでも、俺にはその信じられない筈の言葉が何故か救いのように感じて、重たくこの世界に留めていたまま動けなくなっていた足が、ほんの少しだけ動いたような気がした。
「あいつらは、この世界でも共に歩みを進めている。お前も、前に進め」
「……俺も、また、」
「信じろ、トントン」
ぽん、と俺の肩を叩いたグルッペンが笑顔を見せる。
何かを失ってしまったかもしれない、そんな現実から目を逸らし続けた。救いのない世界が嫌で、嫌で、逃げ出した。
そんな俺も、いつかは救われるんだろうか。
「……また、お前に背中押されてもうたな」
「いつもの事だろう。なんだ、それも忘れたか？」
「…ふふ、いや。そうやったな」
親友、はたまた家族とも呼べる存在に何度もこの背を押されてきた。それは、覚えている。
縋り続けた過去から、未来へ。
前を向けば、Aは、
「＿＿＿え、？」
「……トントン？…っおい、トントン！？」
唐突に、目眩がした。グルッペンと話している間もずっと自分を襲っていた眠気が急激にその強さを増し、ふらりとよろけた身体を咄嗟に床に腕をついて支える。しかし、視界はどんどんと暗がりに呑み込まれ、グルッペンが俺を呼ぶ声も遠ざかっていく。
「＿＿＿ットンくん、トンくん！？」
何故かAの声まで聞こえてきたが、完全に床に伏せてしまった俺に、彼女の姿は見えない。
でも、このまま眠れば、またきっと夢を見る。
…A、今度こそ、思い出すから、
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夜狐 - んもう好き……() (2021年7月3日 14時) (
レス) id: 587d00a7a2 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぷ(プロフ) - すみれいんさん» すみれいんさん、まさかの周回ありがとうございます…！完結から日の経った今でもこの作品を読んでいただけていることが心の底から嬉しいです…！；；；； (2020年12月27日 1時) (レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - 再び読みにきてもう、やっぱり好きです (2020年12月20日 20時) (レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぷ(プロフ) - 宙さん» 宙さん、コメントありがとうございます〜！タイトルの意まで気づいていただけでとっても嬉しいです；；；；最後までありがとうございました！ (2020年9月2日 21時) (レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
宙(プロフ) - 神作。なんて素敵な終わり方なんだあ！題名の意味3か4シリーズぐらいでもしかしてって思ったけど感動したーー！なんて素敵な作品なんだ！！ (2020年8月27日 19時) (レス) id: a1083db659 (このIDを非表示/違反報告)
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