認識票 ページ26
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＿＿＿＿パチリ、と目を開けた。
そこにあったのはいつもの白い天井、では無く、所々に雲が掛かった茜色の空。突然のことに頭がついていかず、パチパチと数回瞬きする。
そこではた、と気が付いた。
「……せや、この間見た夢、」
そう、あの日すっかり記憶から消えていた夢の風景。勢いよく身体を起こせばやはり終わりの見えない銀世界が広がっており、自分の傍にはポツンと愛剣が突き立てられている。
夢の中で夢だと理解出来ているこの状況が何とも不思議だ。しかも忘れていた筈の夢だから尚更に。
あの時は確か息が詰まるような苦しさにのたうち回っていたと思うが、今回はどうやら違うらしい。これと言って身体に異常は感じられないし、気持ち悪さもない。
それにしても、変な夢だ。やはり着ているのは軍服だし、見渡してみても降り積もる雪ばかりで果てが見えない。進んだところで何処にも辿り着けやしない、何となくそう感じるような場所。
二度も夢に見るくらいだから思入れのある場所なのかと思えばそうでも無い。こんな風景は自分の記憶には夢以外に無いし、そもそもここには何も無い。
「……ん、？」
キョロキョロと辺りを見渡していたら、視界の端にカチリ、と何かが光った。その光の方向に視線を向けてみれば、愛剣から少し離れた所に何かが落ちているのが見える。
近寄ってみれば、それは二枚の認識票だった。一枚はチェーンに括られているが、もう一枚は外されて傍に転がっている。誰のやろか、と拾い上げてみるが不思議なことにその認識票にはどちらにも刻まれているはずの個人情報が無く誰のものか分からない。
しかし、裏を返してみれば隅っこに薔薇の彫刻だけが施されていた。うちの軍で薔薇の彫刻がある認識票を付けているのは幹部だけ。という事は、これは幹部の誰かのものである。
一応自分の首元を確認してみれば、ちゃんと二枚の認識票が服の中に下げられていたので俺のものでは無い。因みに、これを無くすとグルッペンから長時間の説教を食らうので絶対に無くしてはいけないものだ。
「……訳の分からん夢やなぁ」
茜の空、雪、剣、身元不明の認識票。
これらが一体何を指し示しているのか俺にはさっぱりだ。認識票を握りしめたままぼふり、と柔らかい雪の上に転がる。やはり冷たさは無かった。
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ぴぷ(プロフ) - みおさん» みおさん、初めまして！一番！？嬉しすぎて泣きましたありがとうございます(；；)更新頑張ります〜〜！♪ (2019年12月26日 23時) (
レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
みお - 初めまして、いつも更新楽しみにしております！tんさんのお話で一番好きです.......この先の展開がとても気になってドキドキワクワクが止まりません！これからも更新頑張って下さい(○´ｰ`○) (2019年12月26日 11時) (レス) id: 0d2c4c6642 (このIDを非表示/違反報告)
鯉口(プロフ) - ぴぷさん» ほんと！？楽しみにしてるね！！(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) (2019年12月26日 0時) (レス) id: ad6d0057cd (このIDを非表示/違反報告)
ぴぷ(プロフ) - 鯉口さん» 鯉ちゃん(*><*)ありがとう〜〜〜！続編は明日上がる気がするので続きも是非ぜひよろしくお願いいたします♪♪ (2019年12月26日 0時) (レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぷ(プロフ) - taka10さん» 訂正ありがとうございます(*><*)長い話になってしまってますがこの先も是非よろしくお願いいたします♪ (2019年12月26日 0時) (レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
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