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「……全員知っとる。俺の、大事な仲間や」
ぽつりと、そう零したトンくんが何処か懐かしむように、最後に見せた彼らの集合写真へ視線を落とす。
「あいつらがこんな風に笑っとるとこ見るの久し振りな気がするわ」
「年甲斐もなくはしゃいで、ほんと、一緒に居て退屈しない人達ばっかりだよ」
「そっかぁ。違う世界で、全く違う生き方しとるのに集まるとか、不思議なもんやな」
「……そうだね」
違う世界でも一緒なんて、本当に仲の良い連中だ。けれども、その写真の中に映る私は、私を知らなかったトンくんにとってはイレギュラーな存在なのだろう。彼が仲間と呼ぶ人達の中に私だけがいないなんて、違う世界の彼らだとしてもやっぱり寂しさを感じてしまう。
「……なぁ、A。俺な、今確信したわ」
「え？」
「俺のいた世界にもAは絶対におる。もしかしたら俺が知らんだけで、結構近くにおったりしてな。若しくは他の奴らとは知り合いやけど、俺は知り合ってへんとか？」
「……そう、かな」
「そぉや。だから、そんな寂しそうな顔せんとって。これから出会う可能性だってあるやろ？この写真見る限り、Aだけおらんなんてこと絶対有り得へんって。な？」
そんなに顔に出てしまっていただろうか。少し気恥ずかしくなってしまって視線を下に向ければ、トンくんの大きな手が私の頭をわしゃわしゃと撫で回した。
確かに寂しいけど、この世界の私はトントンの幼馴染で、みんなは大切な友人だ。それに変わりはないのだから落ち込んでも仕方がない。トンくんの言う通りただ彼に会っていないだけかもしれないし。
「ふふ、ごめんね。別の私の事を私が寂しがったってどうしようもないのに」
「安心してや、もし帰れたら俺、真っ先にAのこと探すから。そしたら、その時はまた仲良うしてな」
「それ私に言われてもなぁ」
「ふは、確かに」
「でも、何となくその私もトンくんと仲良くしたいって思ってるような気がする。だからもし見つけたら、その時はよろしくね」
「おん、任せとき。もし軍人やったら引き抜いて俺の補佐官にしよかな」
「軍人の私は想像つかないや」
知らない私のことを勝手に私がお願いしちゃったけど、大丈夫だろうか。予想では平凡な一般市民してると思うのだけど。でも、もし本当に私に出会ってくれたなら。別の世界でもトントンと一緒にいれたなら。それを想像したら、何だかとても幸せな気持ちになれた気がしたのだ。
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ぽっぷこーん(プロフ) - CSSのON/OFF出来るようにしてくれると嬉しいです。デフォに慣れてるとあまり落ち着かなくて……無理でしたらすみませんが、ご検討よろしくお願いします。めちゃくちゃ面白くて好きです。見てる途中です (2021年11月4日 17時) (
レス) id: 23b3a74ded (このIDを非表示/違反報告)
都 はなれ(プロフ) - はじめまして、ひぷさんの他作品から来たものです。CSSが切れないので設定の方変えていただくことは可能ですか？都合のお願いで申し訳ありませんがよろしくお願いします。 (2021年2月6日 22時) (レス) id: 70f991d98e (このIDを非表示/違反報告)
ぴぷ(プロフ) - 倉の中の石さん» 倉の中の石さん、初めまして！そう言っていただけるととっても励みになります。ゆっくり更新になってしまいますが、是非この先も楽しんでいただけたら幸いです。 (2019年11月21日 18時) (レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
倉の中の石(プロフ) - めっさ面白いです！夢主ちゃんがヒロインヒロインしてなくて非常に好感が持てますね！更新頑張って下さい。応援してます！ (2019年11月20日 2時) (レス) id: b9ac23ea5c (このIDを非表示/違反報告)
ぴぷ(プロフ) - 零さん» 零さん、初めまして！お目通しいただきありがとうございます。上手く違いを出せているのかとても心配だったのでドキドキしていただけてとっても嬉しいです！これからもどうぞ、当作品を宜しくお願いいたします。 (2019年11月10日 23時) (レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
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