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狭い部屋に来訪客を知らせる音が響きドアを開けに行くと
「どーも研二くんです」
「どうも。わざわざ来てもらってごめんね」
「へーき」
コンビニの袋を掲げニィっと笑顔を浮かべた萩原が立っていた。
高三の夏休みが明けてから受験本番、合否判定、卒業式などの特殊イベントはあっという間に目の前に迫りそして通り過ぎた。
いつか誰かの会話を小耳に挟んで警察学校は全寮制だということは知っていた。
だから卒業式の日。萩原と特に会話を交わさず帰宅したことをその日のうちに少し後悔した。
それなりに仲がよかったと思うし、頑張ってねとか言っておくべきだったかなと。
卒業したあとも連絡を取ろうと思えばたぶん取れるんだろうが、なぜだかする気はなくこれっきり疎遠になるんだろうと寂しく思った。
実際、高三の夏休みは花火をやろうと日時を決める以外のメッセージのやり取りはなかったし。
だから大学に進学して一人暮らしを始めて三、四ヶ月ほど経った頃。それまで一切連絡を取っていなかった萩原から突然久しぶりと連絡が来たときは驚いた。
観たい映画があるから一緒に行かないかという誘い。久しぶりに萩原と会えるのか、話せるのかと思うと嬉しかった。
それから時々だけど連絡を取り合うようになり。何回か二人で遊びに行ったりもして。
「お邪魔します」
「はーい」
今日も本当は外で会う予定だったが私の方が大学の課題を終わらせられず、その旨を萩原に伝えたらじゃあまた今度会おうと気を使ってくれた。
でも前回会ったのは数ヶ月前。次会うのもいつかわからない。
萩原と話すのが好きな私はどうにか会えないかと色々考え、萩原を家に呼べば課題もできるし萩原とも話せるじゃんと結論を出した。
「お菓子買ってきた」
「ありがとう」
「ていうか俺邪魔にならない？」
「大丈夫、あとちょっとだし。私の方こそ我儘言ってごめんね」
ローテーブルに広げられた課題の向かいに座った萩原の前にお茶を置いてから残り少ない課題を再開させる。
「あ、テレビ付けていいよ」
「んー」
萩原の生返事を聞いたあとテレビがつく様子はなく視界には課題しか捉えてないため萩原何してるんだ？と顔を上げると
「…」
「ん？」
にこにこして頬杖をついている萩原と目が合った。
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理那(プロフ) - ありがとうございました。本当に素敵なお話でした。 (2020年7月7日 16時) (
レス) id: db0db57d74 (このIDを非表示/違反報告)
かものはし子(プロフ) - お萩さん» コメントありがとうございます(*^^*)頑張っていきます！ (2019年5月17日 22時) (レス) id: e4c7a737a2 (このIDを非表示/違反報告)
お萩 - わー！とっても素敵ですね！ふるやさんこわーい「棒」 これからも頑張ってください (2019年5月17日 20時) (レス) id: c0a94bdd1a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かものはし子 | 作成日時：2019年5月16日 3時
