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「えっ、萩原警察官になるの?」

「うん。なりたいなーって」

「えーえー!なにそれ初めて聞いた!」


身近な知り合いに警察官の人はいないし警察官になるって人もいなかったからなんか新鮮。


「そういえば俺ら進路の話すんの初めてだね」

「たしかに」


萩原が警察官かーそうなんだーなんか意外だーと予想外な事実を噛み締めるよう言葉にすると


「かっこいいっしょ」


どや顔してるんだろうなと容易に想像出来る萩原の声にくつくつと笑いが込み上げてくる。


「かっこいいかっこいい」

「絶対思ってねーだろ!」

「思ってるよ」


でもどちらかというと意外のほうが大きいかも。


「萩原チャラいのにね」

「どこがよ。どっからどー見ても好青年だろ」

「それこそどこがだ」


ふざけ合って二人終始笑っていたらもう駅も近くなってきた。

灯りも増えて隣を歩く萩原がよく見えるようになりちらりと盗み見るとちょっと長い髪が目に付く。


「なーに見てんの」


そんな私の視線に気づいた萩原は首を傾げて少しだけにやりと口端を吊り上げた。

見ていたことがバレた気恥ずかしさとそんな萩原の表情にどきりと心臓が跳ね、それがなんだか癪で「…うざ」と反射的に悪態つく。


「ひっでぇ!悪口反対!」

「あ、萩原の方の電車もう来るっぽいよ」

「逸らすなー!」


ギャンギャン抗議してくる萩原をうざいうざいと笑ってあしらいつつ、


「ほら電車来た」

「くっそぉ…」


悔しそうに渋々といった感じでノロノロ階段を下りていく萩原に手を振る。


「じゃあね〜」

「んー…ばいばーい」


口元に不満が現れてるようで少しだけ尖がっている。拗ねた子供みたいだ。

そんな萩原の電車に乗り込んだ姿を見届けて私も自分のホームに足を進める。


そういえばあいつ警察官を目指してるのかぁ。


さきほどの子供みたいな態度と今日初めて聞いた萩原の将来の話を順々に思い出してやっぱり意外というかギャップというか。


萩原の新しい一面を見た気がしてなんでか少し口元が緩んだ気がした。

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理那(プロフ) - ありがとうございました。本当に素敵なお話でした。 (2020年7月7日 16時) (レス) id: db0db57d74 (このIDを非表示/違反報告)
かものはし子(プロフ) - お萩さん» コメントありがとうございます(*^^*)頑張っていきます! (2019年5月17日 22時) (レス) id: e4c7a737a2 (このIDを非表示/違反報告)
お萩 - わー!とっても素敵ですね!ふるやさんこわーい「棒」 これからも頑張ってください (2019年5月17日 20時) (レス) id: c0a94bdd1a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かものはし子 | 作成日時:2019年5月16日 3時

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