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輪ゴムきっかけか何なのか。

それから萩原くんとはなんとなく挨拶をするようになって。時々挨拶ついでに軽い世間話をしたりして。それがだんだん挨拶よりも会話がメインになっていって。


「暑ィ…」

「髪切りなよ、鬱陶しいし」

「ひっど。俺よりお前のが髪長いじゃん!」


夏休み目前。

だいぶ親しくなった。口調も砕けたし素で話す。軽口も叩く。どうでもいい話も気軽にし合うようになった。

もう友人という認識でいいだろう。


「もうすぐ夏休みだよー」

「受験生だけどね」

「あーーイヤだーーー」


日が長くなった空もようやく暗くなり始めた放課後。

前の席からこちらの机にだらーんと雪崩込んできた萩原を押し返す。


「邪魔。てか萩原いつまでいんのよ」


少し前に友達に誘われ放課後教室で勉強をしてみたらそれが中々よくて。ここ一週間は一人で遅くまで教室に残っていた。

今日もクラスの人たちがだんだんと少なくなっていきいつの間にか静かになった教室を独占していたのに。


「んー…?んー」

「喋れー」


前の席に座りこちらに体を向けている萩原の存在が気になってあまり集中できない。早く帰ってほしい。


「いやー…だってねお嬢さん、外もう暗いですよ?」

「か弱い女の子が一人で夜道を歩くのは危ないって?」

「言ってねー」


くだらなすぎて二人でげらげら笑ったところで今日は集中力ないし大人しく帰るかと教材やらノートやらさっさと鞄に詰める。


「お、帰る?」

「うん」

「んじゃ帰ろ」





革靴に履き替え外に出れば萩原の顔がうっすらと認識できる程度には暗い。

当たり前のように隣に並んで駅までの道のりをだらだらと会話を続ける。


「受験勉強しんどい辛い」

「それな。去年の夏休みが恋しい…」


遊びたい…勉強やだ…花火…海…としくしくと泣きながら無意味なことを呟いてはさらに二人で悲しみに暮れる。


「そういや吉岡ってどこの大学行くの」

「第一志望は東都の大学。萩原は?」


悲しいけどこれが受験生。受験を嫌ってるくせに受験や就職の話とかをしてしまう。まあするよね。目の前に立ちはだかってるんだもん。逃げられるわけがない。


来年には萩原と疎遠になったりするのかなーなんか悲しいなーなんて漠然と思ってると


「俺は警察学校よー」


萩原の意外な返答に驚き一瞬で頭の中はそこへの興味に染まった。

important:3→←important:1*思い出



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理那(プロフ) - ありがとうございました。本当に素敵なお話でした。 (2020年7月7日 16時) (レス) id: db0db57d74 (このIDを非表示/違反報告)
かものはし子(プロフ) - お萩さん» コメントありがとうございます(*^^*)頑張っていきます! (2019年5月17日 22時) (レス) id: e4c7a737a2 (このIDを非表示/違反報告)
お萩 - わー!とっても素敵ですね!ふるやさんこわーい「棒」 これからも頑張ってください (2019年5月17日 20時) (レス) id: c0a94bdd1a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かものはし子 | 作成日時:2019年5月16日 3時

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