【ωrωrd!】かれのひみつ。

▲薄緑と嚥下 ページ6

コネシマさんを探そうと思い席を立ち上がった瞬間に、聞きなれた着信音が鳴る。

画面に表示された通知は私を興奮させるには十分だった。私はスマホの画面を3人に押し付けるように見せる。

｢き、来ました！ゾムさんから返信！｣

私はすぐにLINEを開き、【ゾムさん】のトーク画面をタップする。

｢ゾムさんはなんて言ってるんですか？｣
｢もし居たらどないすんねん……ドキドキするわぁ……｣
｢落ち込まんでええ雪村ちゃん……もし居ても奪えばええんや……！｣
｢まだいるって確定したわけやないし、それ、ロボロが言っても説得力ないで｣

3人は私の周りからおそるおそるスマホの画面を覗き込む。｢ドキドキ｣とロボロさんは声に出して言った。

ゾムさんゆき、今おる?
ゾムさんショッピくんに聞いてきたで。はっきりとは言えんけど、いるっぽいわ

｢あらら……｣
｢ショッピィ………お前裏切りやがったな｣
｢でも、はっきりとは言えないって言ってますから、100％いると決まったわけではないですよ｣

私を置いてけぼりにして3人はショッピ君の彼女について議論し始める。

｢彼女か……一体誰なんやろな。職場ではショッピくんが女性と話してる様子は滅多に見ないしな｣
｢夜は1人ですぐに家に帰ってまうからここの職場ではないと思うで｣
｢雪村さん？大丈夫ですか……？｣

ゾムが送ってきた単語の羅列を呆然と見つめている私を心配してか、エーミールさんは私の顔を覗き込んだ。

｢……大丈夫ですよ！薄々そうかな、って思ってたので｣

私は3人に明るく笑ってみせる。3人はお互いに目配せしたあと、私を慰め始める。

｢いるならいるってはっきりして欲しいよな！雪村を振り回さないで欲しいわ｣
｢雪村さんは素敵な方ですから、もっと良い出会いがきっとありますよ！｣
｢せやで！あんま落ち込まんといてな、雪村ちゃん｣

｢大丈夫ですよ｣と私は画面を見ないようにして言う。今の自分がとても惨めに思えて、やっぱり聞かなければ良かった、と今更後悔する。知りたくなかったな、と。

ケータイの着信音がまた鳴る。

ゾムさんその話も詳しくしたいから、今日の夜いつもの飲み会のとこ行かへん?

諦めた方がいいことは痛いほどわかってる。それでも、ショッピくんの事を知りたいと思ってしまっている私がいた。

雪村ありがとうございます、行きましょう。

▲＊→←△＊

• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
• 健康運: ★★★★★
• 全体運: ★★★☆☆

ラッキーアイテム

革ベルト

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す