【ωrωrd!】かれのひみつ。

▲＊ ページ19

｢はい、ショッピ君。これよろしくお願いします｣
｢今日は早いですね。……これで大丈夫です｣
｢私暇になるから何か手伝うよ！｣
｢やけに積極的ですね。じゃあこれ……助かります｣
｢……！任せて｣

オスマンとのアフタヌーンティーから1日。
私は完全に本来の状態に復活し、ミスをすることもなく、仕事もいつもより早く終わらせることが出来た。
いつも元気と癒しをくれるオスマンには感謝しかない。お礼に次は私が遊びに誘おう。

｢何かいいことでもあったんですか？｣
｢へ？｣
｢さっきから鼻歌交じりになってますけど｣
｢あ、気づきませんでした……煩かったですか？｣
｢いえ、別に｣

私は昨日のことを誰かに話したくて堪らなかった。ショッピ君に話そうして、彼に顔を向けたが、口を開こうとした時、言葉に詰まってしまう。
自分がショッピ君に話すことを恐れているのに気づく。
オスマンはいい友達でしょ？別に友達と遊びに行くのは普通ことじゃないのか？

｢……どうしたんすか？｣
｢昨日……友達とスイーツ食べに行ったんだ〜。すっごく美味しかったの！｣
｢そうですか。よかったすね｣
｢……機会があったら、ショッピ君も今度一緒に行かない？｣

ショッピ君はパソコンを向いたままだ。どんな表情をしているのかは見えない。
しばらく間があって、エンターキーを押すと、忙しなく動かしていた指を止め、顔を上げた。

｢機会があったら……な？｣
｢……！うんっ。行こ！｣

いつもの達観したような表情のショッピ君の唇がほころんでいるように見える。
了承したわけじゃないけど、いつもだったらハッキリと断られる。
こんな言い方、期待しちゃうじゃないか。

｢私、楽しみにしてるっ｣
｢はいはい。機会があったらですからね。仕事手伝ってくれると嬉しいです｣

ショッピ君は、ずるい。私の気持ちなんてとっくに気づいてるくせに、答えをくれない。私もハッキリと好き、と伝えたわけではないけれど……。
ショッピ君は普段塩対応なのに、たまにこうやって優しくしてくれる。そうすると、ますます好きになってしまう。
結局、私はすごくショッピ君のことが好きなんだよなあ。好きで堪らない。

｢……ふふっ｣
｢何笑ってるんすか｣
｢ショッピ君の顔みたらつい……｣
｢失礼ですね｣

嬉しい気持ちで胸がいっぱいになる。嬉しくて宙にふわふわ浮いている気分だ。

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