音柱は継子依存症

師範、前もありましたよね？ ページ36

宇「Aーーーーーーーー！！



なにやってんだーーーー！！！

誰だよ、離れろ！」



師範が私を抱え込み、

地から足が浮く。




『ちょっ、

誤解です！！


月彦さん、ナンパから助けてくれたんですよ！？』

宇「え。そーなの。



派手に申し訳ねぇ。

ありがとな」

月「いえ。


お連れがいらしたのなら、

私はこれで」

『え…！！


お礼、してません！！』





お礼しないとか、

私、許せないんですよ！！









てか師範！！！


そろそろ降ろしてください〜！！



言っても降ろさないって

分かってますけど！






月「いえ、お構いなく。



それに………」





月彦さんが妖しく微笑む。


ちょっと、

狂気的な笑みで、

体がゾワっとする。









月「私はいつでも貴方を見ているので」









その言葉を最後に、

月彦さんは人混みに消えて行った。









堂々とストーカー宣言されたんですけど……？








と、まぁ、これで師範が

黙っていられるはずもなく。



宇「ちょっと来い」




抱えられているため、

付いていくしかない私。





路地裏に、連れてこられた。






降ろされたかと思えば、



師範が私を壁へと追い込む。





右をみても、師範の腕。

左をみても、師範の腕。

正面には、師範の顔、体。



逃げ場はない。






師範、この行動も、

私を好いているからですか？







教えて師範。




カナヲちゃんから話をされた後から、

聞かなかったことにできないのはなぜ？


師範を見ると

胸がキュってなるのはなぜ？


その大きな体で

包まれる度に

離れて欲しくないのはなぜ？





この感覚は、

今までなかったわけではなかった。


ただ、最近

感覚が強くなっていってる。








師範の熱っぽい瞳から

目が離せない。









宇「A、頼むから、

あんま他の男と馴れ馴れしくしないでくれ。




相手がお前の行動で

何を思ってるか

分からねぇだろ…？




お前がどっか行っちまいそうで、

俺は怖ェんだ」



『師範…』






次の言葉は、

すらすらと出てきた。




『私の心はずっと師範の側にいます。




だから、そんな悲しそうな顔しないでください。

地味ですよ』



師範は顔を赤らめた。

酔っ払った時とは違う赤面。



宇「そぅか…。


なら、安心だな。

残りの区域は2人で警備しよう」

『はい！』



この感情の答えを、

私はまだ知らない。

大正コソコソ噂話集3→←師範、男前がいました！

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